S&P500歴代最高値を更新するも、利益は3年ぶりのマイナス成長【2019年3Q決算】

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最近はダウ、S&P500ともに歴代最高値を更新して、絶好調です。ただ、そんな中でも私はあまりこの株価上昇は楽観視していません。S&P500の2019年7-9月期(第3四半期:3Q)の決算を見ても、あまり利益を上げていないからです。

「えっ、そんなことはないはず。決算を見てもかなり多くの企業で、事前予想を上回る好決算が出ている」と思っている方も多いと思います。

確かに、実際に事前のアナリスト予想を超えている決算は随分と多いのですが、それでもS&P500全体で見ると前年よりも、利益が低調になっているデータが浮かび上がっています。

この記事では、個々の会社の決算を見ているだけでは気づきにくい、S&P500の2019年3Q決算全体の傾向をデータで振り返っていきたいと思います。

この記事のポイントはこちらです。

  • 既にS&P500の71%の企業が報告を終えた2019年3Q決算では、76%の企業が事前のアナリスト予想を超える利益を叩き出している。
  • それにも関わらず、S&P500全体で2019年3Qの利益は前年比-2.7%になる見通し。S&P500全体で利益がマイナス成長になれば、2016年2Q以来3年ぶり
  • 2019年4Qの利益予想も急激に低下していて、最新のアナリスト予想では-0.4%と2期連続のマイナス成長を予測している。

3年ぶりの利益マイナス成長に陥りつつあるS&P500

11月に入り、S&P500の企業も決算が一段落した印象があります。500社のうち既に71%が決算報告を終えて、そのうち76%の企業がアナリスト予想を超える利益をあげています。また、売上に関しても61%の企業が予想を上回る決算を発表していて、アメリカ企業は調子良さそうです。

これだけ聞くと一見印象は良いですが、予想を超える企業が多いのは、もともとのアナリスト予想が悲観的だったことが要因です。実際には、2019年3QのS&P500の利益は前年比-2.7%になる見通しです。

これは決算を終えた7割の企業は実績値、まだ決算報告をしていない企業はアナリストの予測値を使った見積もりの利益なので、-2.7%よりも良くなる可能性は高いですが、3年ぶりのマイナス圏はほぼ確実だと思われます。

2015年4Qから2016年2Qまでの3四半期で、S&P500の利益がマイナスになったのを最後に、今まで常に利益はプラス成長してきましたが、このまま行けば2016年2Qの-3.2%成長以来のマイナス幅になるようです。

利益が下がって、株価が上がる理由

「S&P500の利益がさがっているのになんで、株価は最高値を更新しているのか」と思われるかもしれません。株価が好調な理由は、アメリカが景気刺激策のために金利を合計0.75%も引き下げたからです。

金利を引き下げると、企業はお金を借りやすくなって、景気は上向きます。また、金利が低くなれば株価の理論値も上がるため、株高になっています。

なので、現在の米国株の最高値更新は、実体経済が強いわけではなく、金融政策が効いていると見ています。

2019年4四半期の利益予想が日に日に悪化

ちなみに、やや気が早いようですが2019年4QのアナリストによるS&P500利益も出ているので、それも確認してみましょう。

11月1日にFactset社が集計したデータでは、2019年4Qの利益予想はマイナス0.4%となって、またもやマイナス成長になるとみています。マイナス幅は3Qよりも改善するのは良い点ですが、問題は2019年4Qのアナリスト予想が日に日に悪化していることです。

以下は、アナリストが予想した2019年4QのS&P500の利益予想の変化を表すグラフですが、7月時点では4Qで利益は+5.6%成長すると見ていたのに、直近の11月の予測ではマイナス0.4%まで急速に悪化しています。

なので、アメリカ株が連日最高値を更新していても、企業の利益が上向かなければ、近い将来にでコストカットや設備投資の落ち込みが見られるのではと考えています。


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