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今持つべき資産は株か国債。インフレと経済成長で異なる時代に則した投資。

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アメリカ経済は低インフレ時代

ニューヨーク連銀の総裁は、今のアメリカは低インフレ時代に入っていて、これは中央銀行のFRBが金融政策で解決しなければならない問題だと認識を示しています。

NY Fed President John Williams says low inflation is ‘the problem of this era’(CNBC)

日本と同じようにアメリカでも長期のインフレ率を2%に保つことを目標にしていますが、その達成が危ぶまれるほどインフレ率は弱いと言います。

なるほど、改めて言われてみるとアメリカも今や低インフレの時代なのですね。

インフレ率・成長率で異なる最適な投資商品

インフレ率や経済成長率が変化すると、最適な投資商品も変化することが一般的に知られています。

「世界のエリート投資家は何を考えているのか、何を見て動くのか」という本では、経済成長率と、インフレ率が市場の想定よりも高くなった場合と、低くなった場合にどの投資商品が価値を上げるか整理しています。

経済成長率 インフレ率
想定よりも高い 株、社債、商品取引、金 商品取引、金、米国物価連動国債
想定よりも低い 長期米国債、米国物価連動国債 長期米国債、株式

低インフレが進行する今の時代は株・長期国債がおすすめ

さて、ニューヨーク連銀の話によると、今のアメリカは想定以上に低インフレが進行している時代です。この低インフレ時代で最適な投資商品を表の中から調べると、株と長期米国債が当てはまります。

経済成長率 インフレ率
想定よりも高い 株、社債、商品取引、金 商品取引、金、米国物価連動国債
想定よりも低い 長期米国債、米国物価連動国債 長期米国債、株式

一般的に、今後の経済の見通しが明るいとインフレ率は適度に高い水準を維持しますが、将来の景気の見通しが暗くなると低インフレになります。日本もこの状態です。

この環境では、投資家は将来起こるかもしれない景気の悪化に備えてリスクの低い国債などを購入する傾向があるため、国債が買われます。これが低インフレ時代に国債が買われる理由です。

また、低インフレが進行する時代ではニューヨーク連銀が言っていたようにインフレ率を向上させるためにFRBが金融政策を打ち出します。政策金利の利下げです。

利下げをすれば、株価にはプラスに働きくため低インフレ時代は株価もあがります。これは今の2019年のアメリカで起こっていることです。

株と長期国債はどちらが良いか

さて、では2019年は株と長期米国債のどちらを持てばよいでしょうか。それも、表から考えていきましょう。

2019年以降、アメリカは景気拡大に向かうと考えるなら株

今は低インフレ時代ですが、米中の貿易の対立の逆風を跳ねのけてアメリカの景気の拡大スピードが上がると考えているなら、株がおすすめです。

なぜなら、下の表を見れば、次に想定以上に経済成長率が上がる場合でも、株が有利な資産だからです。

経済成長率 インフレ率
想定よりも高い 株、社債、商品取引、金 商品取引、金、米国物価連動国債
想定よりも低い 長期米国債、米国物価連動国債 長期米国債、株式

2019年以降、アメリカは景気後退に向かうと考えるなら長期国債

反対に、今後アメリカが景気後退に向かうと考えている場合は、長期国債がおすすめです。次の来る時代が低成長時代であっても、長期国債はリターンを出し続けることができます。

経済成長率 インフレ率
想定よりも高い 株、社債、商品取引、金 商品取引、金、米国物価連動国債
想定よりも低い 長期米国債、米国物価連動国債 長期米国債、株式

私は悲観的なストーリーを描いているので、長期国債に資産の多くを移し始めています。

私が描いているストーリーはこちら:
今後のアメリカを中心とした世界経済で起こる9つのこと。

2019年にゴールドが買われている理由

ちなみに、ゴールドへの投資に関心がある人は、上の表に疑問を感じると思います。

低インフレ時代では株・長期国債が有利な商品なのに、なぜ低インフレ時代の2019年にゴールドが買われているのかと。

2019年にゴールドが買われている理由は、少し特殊です。ヨーロッパや日本などの先進国の国債が、歴史上まれに見るマイナス利回りに落ち込んでいるためです。すると金利0%のゴールドが相対的に価値が上がるため、買われるという現象が起こっています。

また「有事のゴールド買い」をゴールドが買われる理由にあげている人もいます。武力行使こそしていないものの、米中が関税をかけあう貿易戦争を展開していて先行きが不透明な状態なので、「有事」と判断してゴールドに資金を逃がす動きがあるようです。


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