コンテンツへスキップ

歴史が繰り返されるなら、インフレより前に株高が来る。

  • by
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

トランプ大統領は新型コロナウイルス対策の2兆ドルの経済対策の法案にサインしました。

2兆ドルは米国のGDPの10%にもなる金額なので、インフレにならないかと心配になります。

1970年代に急激なインフレが進んだ米国では、株のリターンが低迷したので、2020年は株だけではなく、金や不動産も買ったほうが良いかなと考えてしまいます。

リターン 長期国債 商品
1970年代 5% 4% 30% 15%

もちろん、先回りしてインフレを準備することに越したことはありません。

しかし、1970年の様子を調べるとインフレ前に1年程度の株高の時期も訪れているので、まだ株を投資の中心にしていても良いかもしれないと、最近になって思い始めました。

この記事のポイント

  • 1971年に米国はドルと金の交換をやめ、ドルを大量に発行して景気を支えた。政府予算が増えてドルの発行量が増えた1970年代は、2020年と似ている。
  • 1971年以降、1年半ほど株価は上昇した。この間、インフレ率もすぐには上昇しなかった。2020年の新型コロナウイルス収束後も、インフレ率上昇の前に1年程度の株高がありえる。
  • なお、1972年末まで続いた米国の株高はFRBの利上げによって終わりを告げた。2020年の景気後退脱出後も、FRBの引き締めには注意。

2020年と似た1940年代と1970年

歴史は繰り返すと言われます。

2020年に2兆ドルもの大きな経済対策が実施されて、米国の株がどのように変わるかを知るためには、過去に起こった似通った出来事を調べるのが良いかも知れません。

この100年間ほどの間に、米国政府が支出を増やした例は何度かありますが、代表的なのは第2次世界対戦に参戦した1940年代と、ベトナム戦争と景気対策で政府の支出が積み上がった1970年です。

以前、このブログでは、1940年代ではその後に株高を招き、1970年代はインフレを招いて株のリターンが低迷したと記事を書きました。

ただし、株のリターンが低下した1970年代もよく調べてみると、急激インフレが進んで景気が悪化する前に、わずか1年4ヶ月ほどではありましたが、株高の時代が訪れています。

歴史が繰り返されるなら、2020年代は結果的にインフレ率が上がるとしても、その前に1年程度の株高が訪れる可能性があります。

インフレ上昇前に訪れた1972年の株価上昇

1960-1970年代の動きを振り返ります。

1960-1970年代の米国

  • 1960年代、ベトナム戦争で米国政府の支出が膨れた。
  • 1971年8月に金とドルの交換を停止。それ以降、政府のドルの発行(予算)が増えて景気を支え、1972年12月まで株高が訪れる。
  • FRBは景気の過熱を抑えるために、1972年3月頃から利上げを実施。この影響がじわじわ効いて、73年1月から米国株は急落した。
  • 73年に急激なインフレが進行する。以降、1981年まで高インフレの状態が続いた。

ここのポイントは、2020年のようにドルの発行が増えた1971年8月以降、インフレの前にまず株高が訪れたという点です。

懸念していたインフレ率の上昇は、ドルの発行が増えた1971年にはすぐに到来せず、1973年に始まっています。

1971年、インフレ率はすぐには上昇しなかった。上昇は1973年以降。

ドルと金の交換が停止した1971年8月から1972年12月までの1年4ヶ月間は、株が上昇しています。

この株の上昇が終わりをつけた理由は、FRBの利上げです。

一般的に、金利を下げると株が上がり、金利を上げると株が下がる傾向があります。

政策金利(FFレート)の値を見ると、1972年3月から金利が上がっており、景気過熱を抑える政策金利の引き上げがじわじわと株式市場に悪影響を与えたようです。

ここまでをまとめると、1970年代の歴史が繰り返されるなら、2020年以降すぐにはインフレにならず、しばらくは株高が来る。ただし、株高を終わらせたFRBの政策には注意が必要なようです。

1973年、株の上昇が終わった後は金が上昇

そして、1973年に株高が終わると、約10年間は株価は低迷します。代わりに上昇したのは、金(ゴールド)でした。

1970年代の金の価格

1973年から1979年までの金の上昇は目覚ましいものがありました。インフレ時代に突入したら、金は魅力的な投資先のようです。

今後の投資の動き方

昨日の記事では、今後もしばらくは株価は上昇と下落を繰り返すだろうと書きました。

>>悪化する経済と上昇する株価。

今後数ヶ月は、株価の上げ下げが激しい展開が続くと思いますが、新型コロナウイルス収束後の1-2年のスパンで市場を見ると、株高になる可能性があると感じます。

そして歴史が繰り返されるなら、インフレは1-2年の株高が終わった後に上昇するはずです。

今後は、歴史が繰り返されることを期待して、次のように動いていきたいと思っています。

  • ステップ1(今後数ヶ月〜1年):たまに訪れる株価の下落に耐えながら、株を中心に資産を買い進める。
  • ステップ2(1-2年先):仕込んだ株が上昇するのを待つ。見込みが外れて、景気低迷が長引いても待つ。株価上昇後はFRBの利上げなど引き締めとインフレ率上昇に注意。
  • ステップ3(その後):FRBの利上げやインフレ率上昇が見られたら、株を一部売却。金などをインフレ対策資産を増やす。

本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。