サブスクリプションビジネスをする企業の株価が好調な理由

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定額制ビジネスは本当に流行っているなと感じます。

定額制の動画見放題サービスだけでなく、定額制ゲーム遊び放題まで出てきて、世の中定額制ビジネス(サブスクリプション)まみれと言っても過言ではないです。

2019年米国株はかなり順調でしたが、米国株市場を引っ張ったアップルやマイクロソフトもまたサブスクリプション・ビジネスを提供している企業です。

この記事では近年のサブスクリプション・ビジネスを提供している企業を例をあげて、なぜサブスクリプション・ビジネスが株価に好影響を与えるのかを考えていきます。

この記事のポイント

  • サブスクリプションビジネスで成功させている多くの企業は順調に株価を上げている。
  • サブスクリプションで株価が上がりやすい理由は、「株主評価が上がること」「収益が改善すること」の2つ。
  • サブスクリプション・ビジネスをするだけでは、株価は上がらない。その企業の固有の強みにサブスクリプションが加わると強い。(マイクロソフトOffice+サブスクリプション、アドビのデザインソフト+サブスクリプション)

2019年サブスクリプション・ビジネスが好調だった

2019年で一番目覚ましい株価の上昇を見せたのはアップルです。アップルは1年間で75%を超える上昇をみせる圧倒的なパフォーマンスを発揮しました。

また、マイクロソフトも2019年で50%を超える株価上昇を見せています。

この2つの企業は順調な米国株を引っ張る原動力になりましたが、これら2社に共通しているのはサブスクリプション・ビジネスです。

アップルは2019年年初にiPhone依存の売上構造からの脱却を宣言して、雑誌・ゲーム・動画の定額制配信サービスを次々とリリースしました。

また、マイクロソフトもビジネスソフトで圧倒的なシェアを持つofficeのサブスクリプションがずっと好調です。

サブスクリプション・ビジネスで株価が上がりやすい要因

サブスクリプション・ビジネスをしている企業の株価がなぜ好調になのか。理由はおよそ次の2つから来ています。

  • 収益基盤が安定して、株主が高い株価でも買いたいと思うようになる。
  • 収益性が改善する点。サブスクは新製品の販売機会ロスを減らせて、価格のコントロールも簡単にできる。

安定した収益基盤に高い株価をつける

株主は安定して売上を出す企業の株を買いたがります。

毎年製品を販売してみないと好調か不調かわからないジェットコースターのような企業よりも、ずっと安定して稼げる企業に魅力を感じる株主が多いからです。

サブスクで見直されたアップルの株

例えば、アップルは2018年までiPhone頼みの売上が続いていて、年1-2回リリースする新作iPhoneがヒットするかどうかが企業の業績の鍵を握っていました。

しかし2019年にアップルは雑誌・ゲーム・動画の3つの定額制ビジネスを開始し、毎月安定した収益を上げられる企業に移行し始めました。

安定した収益基盤が出来つつあるアップル株を、株主が多少高くなっても買いたいと思うようになり株高を引き起こしています。

その証拠に2019年にアップルのPER(高いほど株価は割高)は上昇して、高い株価でも株主がアップルの株を買いたいと思っていることがわかります。

アップルのようにビジネスの変革を起こして、株主が考える適切なPERが上昇して株価が上がること(高くても買いたいと思うこと)を、マルティプル・エクスパンションと言います。これが起こると株価がグッとあがります。

ディズニー株もサブスクで大きく上昇

アップルと同様のことはディズニーでも起こっています。映画は当たり外れが激しいので、投資家が好んで映画会社に投資したいとは思いませんでした。

でも、ディズニープラスという動画配信サービスで定額制ビジネスを始めたことで、映画から安定した収益が見込めるようになったので、株価は大きく評価されています。

収益性が改善する

今まで新製品が出る度に買ってもらっていた製品をサブスクリプションビジネスに変えれば、売り逃しがなくなって、収益性が改善します。これもサブスクリプション・ビジネスで株価があがる大きな要因です。

これはマイクロソフトのオフィスを例に出すとわかりやすいです。

オフィスは数年に1回新製品を出しますが、買い替えると値段が結構高いので、昔はユーザが古いソフトをそのまま使い続けていました。でも、オフィスを月額料金でクラウドで提供するビジネスに変えてからは、ユーザの買い控えを抑えて販売機会ロスをなくせています。

デザイナーソフトで圧倒的シェアを誇るアドビも、マイクロソフトofficeと全く同じ現象が起こっていました。

アドビは2011年からサブスクリプションサービスを展開し始めましたが、サービスが浸透した2014年以降目覚ましく収益性を改善させています。

アドビの例はこちらの決算記事で、詳細を書きましたので、あわせてご覧ください。

また、サブスクリプションはサービスの価格の調整が簡単にできることも、収益性が改善する要因になっています。

サブスクリプションをするだけでは、株価は上がらない

「あれ、でもサブスクリプション・ビジネスで先端を行く動画配信サービスのネットフリックスって、2019年に株価を大きく落としてなかったっけ?」という疑問を持った方、鋭いですね。

こちらがネットフリックスの2019年の株価です。サブスクリプションビジネスで儲けているはずなのに、2019年はかなり株価がかなり低迷しています。

株価の低迷の理由は、アップルやディズニーなどが相次いて、動画配信サービスに参入してきたことです。ユーザが離れて売上が減るリスクがあったために、株価が減少しています。

ネットフリックスの例を見ると、サブスクリプションビジネスを展開すれば、株価があがるという簡単な話ではなさそうです。

「じゃあ、一体どういう企業がサブスクリプションで株価を上げているの?」という疑問が浮かびます。

私の考えでは、他社が同じようなサブスク・ビジネスをしてきても、自分の企業の売上が揺るがない強さを持っている企業(経済的な濠をもつ企業)が、株価を上げていると思います。

つまり、「経済的な濠をもつ企業+サブスクリプション=株価上昇」が、2019年のトレンドでした。

経済的な濠+サブスクリプション=株価上昇の具体例

経済的な濠とは、ライバル企業が真似できない強みを持つか、ライバルに真似されても負けない強みを持っていることをいいます。

以下の記事では、経済的とは何かを説明しながら、濠を持っていて長期的に株価が上がりそうな企業名もあわせて書いているので、お時間がある時にご覧ください。

例:マイクロソフトオフィス+サブスクリプション

マイクロソフトのオフィスは、これがないと仕事にならないという人もいるくらい業界でシェアを持っています。

Googleが同じような機能をブラウザ上で無料で提供しても、お金を出してOfficeを買うユーザーがほとんどです。

ライバル企業に脅かされない経済的な濠を持つ企業だと言えます。

マイクロソフトはただサブスクリプションサービスを始めて株価が上がったわけではなく、もともと経済的な堀を持つマイクロソフトOfficeを、サブスクリプションサービス化することで成功したようです。

例:ディズニー映画+サブスクリプション

ディズニーの動画配信サービスのディズニープラスで見れる映画は、ディズニー作品、マーベル作品、スター・ウオーズ作品など他社が真似しようと思っても、著作権で保護されていて真似できない名作ばかりです。(他社が真似できない、経済的な濠がある状態です。)

ディズニーの場合もサブスクリプションだけで成功したわけでなく、他社が真似できないディズニー映画をサブスクリプションサービス化したことで株価上昇が起こっています。

まとめ

この記事では、2019年に株価が上がっている企業の特徴として、サブスクリプション・ビジネスの成功を見てきました。

ただし、ネットフリックスの株価の不調を見ていると必ずしもサブスクリプションサービスを展開するだけで、株価が上がるわけではないようです。

ライバル企業が参入してきても負けない強み(経済的な濠)を築き上げている企業がサブスクリプション・ビジネスやると強いと、はっきりとした株価上昇が起こっているようです。


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