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長期金利が大きく上昇した9月のアメリカ【23年9月振り返り】

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10月に入ってだいぶ秋らしくなる日が増えてきました。

9月の1ヶ月が終わったので、まとめの記事を書いてきます。

  • アメリカのインフレの鈍化傾向はまだ続いているが、米国債は大きく売られて米国株も調子を崩した。
  • 過去のデータを見ていると米国債の利回り上昇は失業率が悪化するまで続く模様。しかし、9月までにアメリカの失業者の増加がペースを速めた形跡はまだ見られない。

9月のアメリカ経済

2023年9月の動きをまとめておくと、次のようになっています。

  • インフレは鈍化傾向
  • 米国の長期債は大きく売られて長期金利は大幅上昇
  • 失業保険申請件数は低いままで、失業率も低水準が続く恐れ

まず、この数年アメリカを悩ませていた物価高はすでにかなり落ち着いたように見えます。

最近では景気サイクルの後半にときおり見られるような原油高のせいでエネルギー関連の品目の物価を押し上げていますが、エネルギーや食料品などの一時的に価格が大きく動くものを除いた物価(コア指数)では、アメリカの物価は随分と落ち着いたように見えます。

>>8月のPCEデフレータは予想を下回る伸び

じゃあ、インフレは落ち着いてきているなら、金融引き締めもいずれ解除されることを期待して株や国債が買われそうなものですが、そうはなっていません。

米国債が大きく売られている理由ははっきりとはわかりませんが、一つにはFRBがFOMC(金融政策を決める会議)の度に、かなりの長い間で高い金利を維持することを表明して引き締め姿勢を見せたためでしょう。

一方で、FRBが2022年から強い金融引き締めを開始したのにまだアメリカは景気後退に至っていないことから、アメリカの潜在的な成長率が上がった(よって景気を冷やすなら従来よりも強い引き締めが必要になった)ために米国債が売られているという考えがあるようですが、私はこの考え方にはまだ否定的です。

金融引き締めの効果が企業利益や雇用を冷やすには通常1年半から2年程度の時間がかかるので、FRBの金融引き締めの効果が薄れているのではなくまだ効果が出ていないだけかも知れません。

また、今回はコロナの流行初期にさまざまな手法でドルのばらまきがあったために個人も企業も通常よりも引き締めに耐える体力を多く持っていただけにも見えます。

新型コロナの不況時に蓄えた個人の余分な貯蓄は2023年7-9月期にもなくなると言われているので、今度も個人は消費を続けられるのかをまずは見ていきたいと思います。

>>米パンデミック時の余分な貯蓄はまもなく使い切る

米国債の利回り上昇はいつまで続くか

ちなみに米国債の利回りがいつピークをつけるかですが、いつアメリカの失業率が増え始めるかチェックするといいかも知れません。

過去のインフレ期では失業率の増加が始まってから10年米国債の利回りの低下が始まり、リセッションが終わるまで利回り低下が続きました(米国債が買われ続けました)。

最近の低い失業保険申請件数を見ているとアメリカの失業率の増加ペースが上がる気配はまだ感じないので、アメリカの10年国債利回りのピークはまだ少し先かもしれません。

資産状況

2023年8月末時点のポートフォリオを公開します。

資産額は$358,716(約5360万円)になっています。2022年になってからのリターンはドルベースで+0.4%です。

この資産額には米国株の含み益20%分、暗号資産には含み益の55%は税金で取られるものとして除いてます。

税引前の資産額は$435,724(約6500万円)、年初来+18.8%になっています。

株資産推移

2014年からの資産の推移はこちらです。2018年9月以降は追加で入金していません。

資産構成

保有銘柄

このページの最後に、保有銘柄の一覧表を掲載します。

銘柄 シンボル 評価額(ドル)
ビットコイン BTC 219194
超長期米国債 TLT 85507
現金 47321
イーサリアム ETH 6694

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