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2019年GDPマイナス成長に陥った国の共通点

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2019年不調が続く国の共通点

2019年第1四半期には韓国、第2四半期にはドイツはGDPは前期比マイナス成長におちいりました。ドイツと韓国の人々も必死になって働いたはずなのに、自分たちが生み出した富が3ヶ月前よりも少ないというのは、ちょっと異常な事態です。

そもそも失われた30年を謳歌している日本ならまだしも、なぜこの2つの国がマイナス成長することになってしまったのでしょうか。

私は、2018年から始まっているドイツや韓国の不調は、中国の成長鈍化と米中貿易戦争の影響を受けた輸出の減速だと思っています。

その理由を綺麗に説明してくれる「輸出依存度」という数字があるので、この記事では「輸出依存度とは何か」という説明加えて、「ドイツ・韓国・中国・日本・アメリカの5カ国の輸出依存度の比較」をしてみたいと思います。

ちなみに、日本の景気を「失われた30年」ってすごい言葉ですね。この上ないパワーワードです。私の人生ほぼ丸ごと失われたことになっているのですが、どこに消えたんでしょうか。そろそろ本腰を据えて、自分探しの旅でもしたほうが良いかも知れません。

輸出依存度とは

輸出依存度とは、GDPに占める輸出の割合を言います。ただし、この説明だけで理解できる人は、そもそも輸出依存度も知ってい人だと思うので、もう少しスッキリ理解できるようにGDPという言葉を噛み砕きます。

難しい言葉を抜きにGDPを説明すると国内と貿易で生み出した富の足し算です。

GDP = (国内で生み出された富) + (貿易で生み出された富)

国内で生み出された富を詳しく見ると「消費」「投資」「政府支出」があるのですが、ここではもうざっくりと「国内で生み出された富」にまとめてしまいます。

貿易で生み出された富のほうが重要でこれは「輸出」から「輸入」を引いた額で計算されます。つまり上の式を書き直すとこうです。

GDP = (国内で生み出された富) + (輸出 - 輸入)

このうち、輸出がGDPのどれだけの割合を占めているかを表すのが輸出依存度です。(つまり輸出÷GDPで計算します。)

輸出依存度が高いドイツ・韓国

それでは、いよいよ輸出依存度を見ていきましょう。

出典:世界の統計2018(総務省統計局) 9-3 貿易依存度の表を参照

これを見る限り、ドイツと韓国の輸出依存度は、中国・日本・アメリカを大きく超えています。

ちなみに、経済規模が大きく違うので単純比較ができないのですが、2019年第2四半期にGDPマイナス成長に陥ったシンガポールは輸出依存度が113.8%でした。

世界のGDPに変調の兆し。シンガポールは予想外の2019年2Q大幅マイナス成長。

一方で、まだまだゆっくりとしたペースで成長を続けるアメリカは、ドイツ・韓国・中国よりも輸出依存度が低い7.8%です。これを見る限り、2019年に起こっている世界経済の変調はどうも輸出に関係していそうだと言えます。

なお、世界の貿易依存度(輸出と輸入の合計をGDPで割った値)を見るとドイツや韓国以上に貿易に依存している国と地域は数多くあります。

世界の貿易依存度 国別ランキング・推移(2017)

この中でもトップは2019年8月にデモが大規模化している香港です。香港は今経済的にも政治的にも厳しい位置にいます。

貿易依存度の順番に景気後退するわけではないと思いますが、主要な国の景気後退はドイツ・韓国、その次は消費税で導入で減速が加速する日本、そして中国、最後にアメリカでしょう。

(イギリスは輸出依存15.5%で低めですが、EU離脱の行方が不透明で順番が読めません。)

しばらくは、アメリカの国は以外の国の景気が悪化して、その間に世界中の投資資金がアメリカ国債に流れ込み、最後の最後でアメリカの景気後退が訪れると思われます。


参考記事:ドイツ、マイナス成長に転落。1年かけてドイツを追い込んだ米中貿易戦争。


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