コンテンツへスキップ

アメリカの景気後退は2023年前半かなと思っています。

  • by

昨日の記事で、2023年は恐らく景気後退が起こるのではないかという話をしました。

>>拡大していくアメリカの長短金利差が意味しているもの

この記事では、どうもその時期は2023年前半頃になるだろうという話をしたいと思います。

  • 過去のアメリカの景気後退時には、雇用が減少する傾向が見られる。
  • 具体的には、雇用者数の伸びの6ヶ月平均がマイナスに転落したタイミングで景気後退が起こっている。
  • 今のままのペースで行けば、2023年前半に雇用者の伸びの6ヶ月平均がマイナスに転じる。

景気後退時の雇用者数の変化

景気後退のときには雇用者が減るはずだというのは、異論がないと思います。

次の図はアメリカの雇用者をグラフ化したものですが、景気後退時(グレーに塗られた期間)では確かに雇用者数が減少しています。


出典:FRED

これだけでは当たり前な話なので、この動きをもう少しだけ深ぼってみたいと思います。

次の図は、半年ごとに「毎月の雇用者数の伸びの平均値」をグラフ化したものですが、面白いことにこのグラフがマイナスに転じる時期に景気後退が起こっていることが分かります。

2022年はどれだけ景気後退に近づいたか

さて、法則が分かったところで、現時点はどの程度景気後退に近づいているのかをグラフから探りたいと思います。

とはいえ、2022年はまだ下半期が終わっていないので上半期(1-6月)のデータまでしかありません。上半期までは雇用の伸びが著しかったので、以下のように景気後退には程遠いという結論しか得られません。

なので、せっかく既に公表されている6-10月までのデータを活用するために、直近6ヶ月の移動平均を使ったグラフを下の図で見ていきたいと思います。

2022年前半は毎月平均63万人増えていた一方で、上のグラフを見ると最近は毎月平均8万人前後の雇用者しか増えていないことがわかります。

もしも、このままのペースで雇用減少が続いた場合にはどうなるでしょうか。ためしに、7月から10月までのペースで雇用が減少した場合には2022年12月から1月くらいには雇用者数の増加の6ヶ月移動平均値はマイナスに転じることになります。

(あくまでも7-10月からの雇用の伸び鈍化が続いた場合のシミレーションの話なのですが、)2022年末から2023年第1四半期にも雇用の伸びが悪化して、あと数ヶ月で景気後退に入ってもおかしくはない状況になっています。

ただ、2022年末から2023年前半の景気後退になるという結論は、まったく突拍子もない話でもなさそうです。

このブログでは景気後退がどれだけ近づいたかを知るために、毎月アメリカの景気先行指数を確認していますが、景気先行指数の発表元のカンファレンスボードは景気後退は2022年末から2023年半ばにかけて訪れると声明を出しています。

>>アメリカ経済の先行き、さらに暗くなる【景気先行指標】

2022年内の景気後退は言い過ぎかもしれませんが、心づもりとしては2023年前半に訪れるかも知れないと警戒しておいて良さそうです。


本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。