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米国小型株インデックスのラッセル2000が下がる理由

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気づいている人も多いかも知れませんが、最近は米国小型株インデックスのラッセル2000が大きく下げています。

早々にタイトルの回収をしてしまうと、小型株が大きく下落している理由はこれから小型企業の資金繰りがさらに厳しくなって倒産する企業が出てくる懸念があるからです。

最近の銀行不安では、今までリスクを大きくとって貸出しや投資をしていた銀行を中心に破綻の噂が出ています。この状況では、中小企業に進んで融資する銀行は減り、小型企業から倒産が増えていくはずです。

だから、米国小型株インデックスのラッセル2000は売られているように見えます。

この記事のポイント

  • シリコンバレーバンクの破綻の件から、米国小型株インデックスのラッセル2000はS&P500よりも大きく売られている。
  • 今回の一連の銀行不安で銀行から小型企業への融資が減り、中小企業が破綻するリスクが高まっている。
  • 中小企業の倒産からアメリカがリセッションに陥って株が下落した場合には、大型株よりも大きく下落した小型株を中心に株を買い進めるつもり。

潰れるのは銀行ではなく中小企業

最近の投資家は「次につぶれる銀行はどこだ」と言わんばかりに銀行の話でもちきりです。

この数日ではクレディ・スイスやファースト・リパブリックバンクの名前が上がっては、どちらも救済案が出されて破綻の懸念がトーンダウンしています。

>>スイス当局、クレディ・スイス安定化へ選択肢を協議(ブルームバーグ)

>>ファースト・リパブリック、複数銀行が300億ドル預金へ(ブルームバーグ)

このように破綻の危機が騒がれる度に銀行に救済案が出されるので、つぶれる銀行はめったに無いのではないかと思っています。

一方で、銀行救済の前後には、銀行が今までやっていたリスクの高い融資や投資は整理されるはずです。なので、特にまだ利益が出ていないベンチャー企業(小型のハイテク企業)を中心に、融資を得られずにつぶれていく企業が増えるのではないかと思っています。

恐らくこうした小型企業の倒産確率の上昇から、ラッセル2000はS&P500よりも大きな下げを記録しているように見えます。

次のリセッションで小型株は買う候補

シリコンバレーバンクはあっという間の破綻劇は印象的なイベントではありましたが、結局大きな目で見るとアメリカは「利上げ」→「銀行から企業への貸出し減る」→「体力のない小型企業からつぶれていく」という一般的なリセッションの道筋をたどるように見えます。

少々気が早いですが、このままアメリカが2023年後半にも景気後退になるなら、景気後退で下がった時に買う銘柄は一番ダメージを受けた小型株という事になりそうです。(大きなリターンを得たいなら、一番を株価が下がった株にチャンスがあるという考えです)

ただ、小型株を書い始めるタイミングは今ではありません。このブログでは既に何度も書いたように、景気後退に向かっていく今の段階では米国債で良いと思います。FRBは2023年後半から2024年にかけて利下げをして、米国債が買われる大きな流れが来ると思うからです。

リセッション突入後の失業者の増加の勢いが緩やかになって、いよいよ景気が底を打ち始めたら株を買い始めるタイミングになると思いますが、そのときには小型株インデックスは候補になるはずです。


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