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投資スタイルを変えてから感じること

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今日は少しいつもと違って経済や銘柄の話ではなく、今の投資スタイルを変えてから感じたことを書いていたいと思います。

2013年から米国株への投資をはじめて2019年8月までは、「買ったら決して売らない」という方法で長期的に優良な企業に投資をする方法をとっていましたが、2019年に次の不況が近づく足音を感じ取ったことから「米国株以外の資産も使いながら、好況と不況の景気サイクルの流れに対応する投資」に切り替えました。

この投資スタイルの変更から、この秋で2年がたったので、少し振り返っていきます。

この記事のポイント

  • 投資スタイルを変更してからも資産は伸ばせた。株が大きく下落するような時期でも、狙い通りに資産の下落を抑えられた。
  • 今の投資スタイルのほうが経済の理解も深まって面白いが、正直にいうとすごく疲れる。体力ではなく、精神的にタフさが求められる。

投資スタイルの変更後も資産は伸ばせた


そもそも投資のスタイルを変えた理由はより資産を大きくすることでしたが、この目標はまずまず上手くいっていると思います。

次の図は2014年からの資産の伸びをグラフにしたものですが、投資スタイルを変えてからも資産は無事に伸びています。

投資スタイルを変えてからの2年間が、たまたま市場全体が好調だった場合でも資産は伸びて見えるはずなので、念のため米国株のS&P500との比較もしてみます。

以下が資産の伸びとS&P500を比較したものです。

配当再投資後のリターン 資産の伸び(税引後) S&P500(税引前)
2019年 23.1% 28.9%
2020年 53.5% 17.5%
2021年(8月まで) 38.1% 21.6%

投資で守りの意識を高めていた2019年こそS&P500に劣っていますが、その後の2年でこの遅れを取り返せたように見えます。

2020年は特に、米国株が新型コロナウイルスの大きく下げた2月3月でほとんど下落の影響を受けなかったことが大きかったと思います。

資産は増やせているが疲れる投資


結果だけ見ると「良かった」と言えるのですが、正直に言うと今の投資は以前の投資に比べてかなり精神的に疲れます。

昔の私がしていた投資は「買ったら売らない」というスタイルですが、長期的に伸びる企業を選ぶことさえ出来ていれば、あとは多くの投資家が自分が買った銘柄を後押ししてくれるのを待つだけで資産が増えるので、とても気分が楽でした。

良い業績をあげて勢いのあるグーグル、アマゾン、フェイスブック、アドビなどがこの良い例です。毎年利益を増やすので他の投資家からの評判も良く、投資家が皆で同じ方向を向いて投資をしているような安心感がしました。

一方で、今の投資スタイルは「好景気でまだ株が順調のときに売り、不景気で株が大きく下がってるときに買うことで他の投資家よりも大きなリターンを目指す」という側面があるので、多くの投資家と自分はしばしば反対の方向を向くことになります。

他の投資家と「反対を向いている状態」というのは、想像していたよりもかなり精神的なタフさを求められます。

少し具体例をあげるために、2つほど印象的だったことを振り返ります。

【例1】2019年後半から2020年2月の景気後退まで

1つ目は、2019年年末から2020年2月の景気後退(≒不況)までの動きです。

2019年は景気後退が近いと判断して私は8月から米国株を売って不況に強い国債を買っていたのですが、その直後にアメリカと中国の貿易協議がまとめったことで空気が一変して株高になり、景気後退は回避できたという考えが投資家の間で広まりました。

結局、その半年後の2020年2月にアメリカはパンデミックによる思わぬ形で景気後退になるのですが、自分より明らかに投資に詳しそうなアメリカの有名な投資家たちまでもが「景気後退はしない。株は買いだ」といっている中で、株が下がることに賭ける半年間は私にはかなり長く感じました。

1年の半分だと思えば半年は短いですが、「他の投資家が株で儲けている間に、自分だけ一向に上昇しない国債ばかり持っていていいのか」という焦りも毎日のように感じていた分、180日間は長かったです。

パンデミックがなかったとしてもアメリカの景気は終盤に来ているはずだったので、とにかく気長にその時を待つ辛抱強さが求められました。

【例2】ビットコインへの投資

2020年からビットコインの価格が上昇を始めると考えて、2019年夏から買い始めましたが、この投資も報われるまでが本当に長かったです。

(今もビットコインは予想していたほどの上昇が見られてないので、苦悩は続いていますが。)

投資をしてから2年間でビットコインの価格が半分以下になる経験を3回も経験しましたが、そのたびに有名な投資家から個人投資家まで「終わりのはじまりだ」と一斉に声があがり、保有を続けるために精神的なタフさが求められました。

ビットコインは一度も売っていないので、どこで利益を確定させるかという大仕事がまだ残っていますが、この投資で一番重要なだったのは情報(知識)でも資金力でもなく、どんなに価格が下がっても慌てないタフさだったと振り返ることになると思います。

さいごに

投資スタイルを変えてから2年間を振り返りましたが、高いリターンを得るために他の投資家と違う動きをすることは、かなりの精神的なタフさが必要だと身にしみる2年間になりました。

また、この記事を書いている2021年9月に目を向けてみると、中国株が大きく下げていて「投資する対象として適さない」と言われています。そしてこりない私はまたしても、明らかにタフさが求められる今の中国株への投資をしています。

この中国株への投資も結果が出るまで、数年はじっとただひたすらに耐える必要があるかもしれません。

場合によっては、今度こそ断念して損を抱えたまま売却することになるかもしれませんが、他の投資家が何かを言っても結果が出るまで気長に待とうと思います。

また、失敗するかもしれないからこそ、リスクの管理は大事だとも思いました。

2019年に不況に備えた時の投資は、そもそも国債のリスクはそれほど高くないので資産の50%以上を国債につぎ込みましたが、ビットコインのときは最悪失ってもいいように投入資金は資産の10%までに抑えました。

中国株が今後も下落が続くようなら、自分の資産の何%までつぎ込めるかを考えながら、資金を入れていきたいと思います。


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