最近、中国企業の株が底を打ったのではないかと良く聞くようになりました。
この記事では、今の時期からの中国企業の株を購入するのはありかを考えていきます。結論としてはまだ早いと思っています。
この記事のポイント
- 最近は中国企業の株価が好調。2020年から続いていた株安に歯止めがかかったかも知れない。
- しかし、過去の米国株と中国株の動きを見ていると、米国株が下落する時にはやはり中国株も下落している。
- 2022年の米国株の下落がもしもまだ続くと思うなら、規模は違えど同じ時期に中国も下がる。
調子を取り戻しつつある中国株
冒頭でも言いましたが、最近の1ヶ月は中国株が好調です。
最近の中国政府は景気を支えるために積極的に動いているほか、1年間続いたIT企業への規制強化の手も緩めつつあるようです。
>>中国が新たな景気刺激策を発表、ロックダウンの打撃緩和図る(ブルームバーグ)
2021年2月から低迷が続いていましたが、いよいよ底打ちしたかも知れない兆しが見られます。
今年は米国株が不調なので、もしも本当にこれから中国株が復活するのではあれば手を出したいところです。
米国株と中国株の値動き
ただ、気になるデータもあります。
今までの米国株と中国株の値動きを見てみると、米国株が下がる時には規模は違えど中国株もやはり下落する傾向があるようです。
以下のグラフは2020年の新型コロナウイルスの流行初期の米国株と中国株の値動きですが、米国株が下がった時にも下落しています。
そして、その下落幅は米国株安に釣られた場合のほうが大きいくらいです。
今後は、2018年年末に米国株が20%下落して弱気相場入りした時期を見ていきます。
2018年の時期を見ても、やはり中国株は米国株の株安につられて下落しているように見えます。
さいごに
ここまでの内容をまとめつつ、中国株に関する考えを書いていきます。
近年の中国は政府による引き締め策で景気が鈍化し、社債の利払いに苦しむ(中国恒大などの)企業が出てきた上に、IT企業への規制強化の影響もあって1年以上も大幅な株安を経験していました。
しかし、2022年に新型コロナウイルスの感染拡大で中国の景気が再び大きく鈍化した後、今後は政府は減税などの景気支援策に舵を切りはじめて、中国株に浮上の兆しが見られています。
米国株の不調が続く中で中国株が上昇してくれるなら、中国株が良い投資先にも見えます。
しかし、上にも書いたように過去のデータを見てみると、米国株が下落する時期には、中国株も下落する傾向がある点には注意です。
「FRBが金融引き締めを続けるかぎり米国株はまだ下落する」と私は予想しているので、そうなれば中国株も同じ時期に下落をしてしまう恐れがあるだろうと思います。
私は2021年の中国株の下落を経験しているので「できれば取り返したい」という思いもあるのですが、冷静に考えると今はまだ動く時期ではないのかなと感じています。