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トランプ大統領、国連演説で中国との対等な通商を望むと再度主張。10月の部分的な合意の可能性薄れる。

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9月24日にはいくつかの株式市場の下げの要因が重なりました。

  • 米消費者信頼感指数が悪化。前月からの下落幅は今年最大。
  • トランプ大統領、改めて中国との対等な通商を望むと発言。10月の部分的な合意の可能性薄れる。
  • 米下院議長の野党民主党のペロシ氏、トランプ大統領の弾劾調査の開始を発表

これだけ、色々あってダウ平均指数は良くマイナス0.53%に収まったなと思うのですが、前回の記事に引き続き、下げた要因の1つを深ぼってみようと思います。

今回は「トランプ大統領、改めて中国との対等な通商を望むと発言」の巻です。

中国との対等な通商を望むと改めて発言

アメリカは10月から中国と閣僚級の貿易協議を控えていますが、トランプ大統領は中国でのアメリカ企業への冷遇を批判し、貿易交渉では望ましくない内容では合意はしないと改めて国連の演説で表明しています。

以下、トランプ大統領の主張です。

  • 中国は2001年にWTO(世界貿易機関)加盟時に確約した、通商環境の改革を実施していない。
  • アメリカ企業は中国で自由な競争ができていない。具体的な指摘事項は「アメリカ企業が中国市場に自由に参入できない」、「中国企業が手厚い政府の補助を受けている」、「政府による為替操作」、「アメリカ企業の知的財産が中国企業に不当に開示させられている」など。
  • アメリカは通商の不平等を終わらせる。貿易協議の合意を目指しているし、両国に恩恵をもたらす合意が得られると期待している。
  • これまでも明確にしてきたとおり、貿易協議が悪い合意になるなら容認しない。

トランプ大統領ご本人も言っているように、上の指摘事項で新しい発言内容はありません。

中国政府が市場を今以上に開放すれば、アメリカだけでなく世界の企業も恩恵を受けられるため、トランプ大統領が理想とする中国市場開放は一定の理解は得られると思います。

しかし、問題はトランプ大統領のがどんなに理想像を掲げても、関税を引き上げても、中国にとってアメリカの要求が受け入れ難いことです。政府の計画通りに経済を発展させたい中国にとっては、何かと自由に開放できない理由があるのでしょう。

結果的に、2018年から1年ほどの間、中国とアメリカは協議が合意に至らないまま、制裁関税だけは引き上げられ、米中の経済にダメージを与えてきました。

難航が予想される10月米中貿易協議

トランプ大統領が国連で発言したことの意味は、内容ではなく、タイミングにあると思います。10月には米中の閣僚級の貿易交渉が再開されますが、9月末の国連の演説で改めて「アメリカは妥協しない姿勢で交渉に臨みますよ」と言っているように聞こえます。

ここまでハッキリ言うと、10月の協議で「部分的な合意で、関税の一部を撤廃する」というストーリーは可能性はかなり低くなった気がします。よって、10月の協議も難航しそうです。

関税自体もアメリカ経済に悪影響を与えますが、もっと影響が大きいのは景気の冷え込みを恐れて、企業や消費者が投資や消費を控えることです。

前回の記事で、アメリカの消費者心理が悪化しているというデータを紹介しましたが、10月の協議の内容次第ではさらなる悪化もありそうです。


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