テスラが7-9月の決算を発表したので、見ていきたいと思います。
結果から言うと業績が良くなかったです。
もともと工場の稼働を一時的に止めると話していた気もするのですが、それに加えて自動車ローンの金利が高くて、人々に車を買う余力がなくなっていることが業績低迷の要因になっているようです。
利下げはまだまだ先のことなので、テスラの苦しい時期はまだしばらく続くかもしれません。
この記事のポイント
- テスラは一株利益も売上も予想を下回る業績となった。特に営業利益率は下げ続けている。
- 待望のサイバートラックの投入が発表されたこともあり、決算発表直後は株価は持ちこたえたが、決算発表終盤に株価を下げた。
- 低迷の原因には、高い自動車ローン金利がある。人々に車を買う余裕がなくなってきていることから、現在の金利水準が長く続くのはテスラにとって望ましくない。
低調に終わったテスラの7-9月期
冒頭でも書いたようにテスラの業績はよくありませんでした。
- 調整後一株利益:$0.66(予想$0.73)
- 売上:$23.35B($24.1B)
テスラの成長率をグラフで追いかけると、どれだけ失速しているかが鮮明になります。
また、テスラの投資家は(2023年は特に値下げを頻発しているためか)営業利益率をよく気にしているのを見かけますが、利益率も急速に鈍化しています。
それでも新しいピックアップトラックの「サイバートラック」を11月30日までに投入すると発表したことで、株価は決算発表直後に下げ渋っていたのですが、テスラから経済に関して悲観的なコメントが出たことで株価を下げたようです。
具体的にどの発言で投資家は売りに動いたのかはっきりと分からなかったのですが、現時点のテスラが苦しんでいる様子は年始から繰り返される値下げを見るだけでわかります。
2023年になぜ大幅な値下げが必要になったかというと、世界中の国で利上げが起こって車のローン金利が上がり、人々が車を買えなくなってきているからです。
高い金利の環境になっていることを私は心配している。(中略)もしも、このままの高い金利が続いたり、さらに金利が引き上げられることになれば、人々にとって車を買うことはますます困難になる。
イーロン・マスク
実際に最近の車のローン金利の上昇は驚くペースで上昇しています。下は48ヶ月の新車ローン金利をグラフ化したものですが、2001年以来の高水準になっています。
しかし、困ったことにFRBは高い金利はまだまだ続くと発言しています。市場の予想では利下げが始まるのは来年2024年7月でまだまだ先のことになりそうです。
またアメリカだけではなくどの国もまだ利下げは遠いようなので、まだしばらくテスラにとっては苦しい状況は続く模様です。