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イギリスはEU離脱案の採決先送り、3度目の離脱延期申請。

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3度目の離脱延期

世界中の注目が集まったイギリス議会でしたがEU離脱案の承認の採決は先送りになりました。

これでイギリスは19日の午後11時までにEUに離脱の延長申請をしなければいけなくなり、当初は「延期申請はしない」と言っていたジョンソン英首相もしぶしぶEUに2020年1月末まで離脱期限を延期してもらうように文書を送ったようです。

まだ可能性がある10月離脱

なんだか、わるい沼にハマってしまったようですね。EUと合意も得て議会の承認も得れば無事にEU離脱という、あと一歩のところまで来ていたのですが、これで3度目の離脱延期申請です。

せっかく合意の期待が高まっていただけに、残念です。この週は株式市場こそ反応が薄かったものの、為替のポンド・ドルはEUとの離脱条件案の合意ですでに期待が高まっていたようなので、週明けの為替市場はその元気が少ししぼみそうです。

ただし、延長申請はしたものの1月31日まで離脱が伸びたわけではなく、それを前にイギリス議会で承認されて手続きが済めば1月を待たずに離脱ができます。それどころか週明けの21日月曜日に再度採決を試みる計画もあり、まだ可能性としては、10月末の離脱の可能性も残っているようです。

混迷を極めるイギリス

もともとわかりにくかったイギリスのEU離脱ですが、なんだかさっぱりわからなくなってきました。混迷を極めています。

アナリストによれば、合意してEU離脱しても数年間はイギリス経済にマイナス、合意なき離脱はもっと大幅なマイナスの影響があると見られています。それなら、そもそもなんで離脱するのかという疑問が湧いてきます。

これについては、イギリスがEUを介さないと他の国と貿易協議ができない等の自由を取り戻したい、EUに支払っていた多額の支援金自国のために使いたいなど、長期的に見てもっと自分の国のためになることをしたいと言うのは、かろうじてわかります。

全くわからないのは、今後結局イギリスはどんな選択肢を取るのかです。「合意した条件で離脱するのか、合意なき離脱になるのか」、「時期は10月か1月か」、もしくはイギリス国民がデモ活動しているように「もう一度EU離脱を問う国民投票をするのか」。組み合わせが何通りもあって、展開が全く読めないです。

19日に採決延期が決まって玉虫色の結論になったので、今のところ21日月曜日の週明けから市場が荒れる展開は避けられたと思っていますが、何が起こっても不思議じゃない、先行き不透明な展開が続きます。

混迷の中、しぼむ景気

確かなのは、こうした先行き不透明な状況では、企業はイギリスに設備投資をしないことです。以前のEU離脱期限だった2019年3月は実際に景気が悪く、2019年第1四半期はGDPマイナス成長になりました。

景気後退にリーチがかかったイギリス。4-6月期GDPは予想外のマイナス0.2%成長。

なので、2019年10月のイギリスは一時的に景気が悪くなっている恐れがあります。2019年は本当に政治イベントが、景気に影響する年だなあとつくづく感じます。


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