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アメリカ消費者の景況感、すでに景気後退時のような低さが続く

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普段はあまり取り上げていない、経済指標について取り上げたいと思います。

ミシガン大学消費者信頼感指数というものです。

このデータについては、私よりも詳しい人がたくさん解説していると思いますので詳細はそちらに任せるとして、5月のミシガン大学のデータでとっても大事だと感じた1点だけ書きます。

アメリカの消費者が感じている景況感は、既に景気後退時なみに良くないようです。

この記事のポイント

  • 5月のミシガン大学消費者信頼感指数は予想を下回る59.1だった。
  • この数字は2011年以来の悪いデータ。過去70年間でこれほどまでデータが低かったのは4回しかなく、そのうち景気後退を免れたのは2011年1回しかない。
  • 2022年5月の時点で、既に消費者が感じている景気は景気後退なみに悪い。

予想以上に悪かったアメリカ消費者の景気


ミシガン大学が毎月調べている消費者の景況感の速報値の5月版が発表されました。

結果はとても良くなかったと思います。

  • 予想:64.0
  • 結果:59.1

経済指標はある程度見慣れていないと、この結果がどの程度良くないのかハッキリしないものなのですが、今回は比較的簡単に「かなり悪いデータ」とわかります。

次の章では、私なりのこのデータの見方について見ていきたいと思いまうす。

低迷が続く消費者の景気


5月のミシガン大学消費者信頼感指数は59.1という結果でしたが、これは2011年以来の11年ぶりの低水準でした。

しかも約10年ぶりの低水準というだけではなく、歴代のデータと比較してもかなり低い水準だったようです。

次の図では、ミシガン大学の消費者信頼感指数は70年分のデータをグラフ化したものです。グラフ化したのは速報値ではなく確報値なので先程のデータとはわずかに結果は異なりますが、既に歴代でもかなり低い値になっていることが確認できます。

今以上にデータが悪かった時期は、過去70年間で4回しかありません。1974年(第1次オイルショック)、1980年(第2次オイルショック)、2008年(リーマンショック前後)、それに2011年です。その4回のうち、3回は景気後退期(上図の青く塗られた時期)にあたります。

唯一景気後退を逃れた2011年はリーマンショックからの景気回復を図っている時期でしたが、ギリシャなどのヨーロッパの債務危機、原油高、リーマンショック後に景気を支えた中国・ブラジルなどの新興国の景気減速など景気の悪化が心配された時代でした。

いろいろと言いましたが、今のアメリカの消費者の景気はすでにかなり景気が悪い状態にあるのは確かなようです。

さいごに

この記事ではミシガン大学の景況感指数に触れながら、既にアメリカの消費者の景況感が景気後退時なみに悪いことを書いていきました。

ただ、消費者が感じている景況感が悪いからと言って、既に景気後退に入っているのか、もしくはどの程度まで迫っているのかはわかりません。

ひょっとすると、2022年は人々を悩ませている物資の供給や価格が安定すれば、2011年のように景気後退を回避できる可能性もあります。しかし、過去のデータを見る限り景気後退を回避できる可能性は少し低いそうです。


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