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アメリカを刺激し続ける中国。対立激化でGDP押し下げは不可避か。

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前の週末に、中国の人民元安に対して、ナバロ大統領補佐官は「アメリカの追加関税の効力を和らげるための元安なら、アメリカは強い態度に出る」と強い牽制のサインを送っていたのですが、中国はその言葉には耳を貸さなかったようです。

8月12日に発表された中国人民元の基準値は、金曜日の値から更に人民元安に動きました。これで3日連続の1ドル7元の壁を突破しています。

金曜日にトランプ大統領は、9月に開かれる貿易協議で合意が至りそうにないと同時に、米国企業とファーウェイなどの中国企業との取引禁止令の解除もしないことを宣言していますが、これに対して中国が反発している可能性もあります。

トランプ米大統領、中国と通商協議継続 「当面の合意ない」(ロイター)

いずれにしろ、対立の溝は深まっていることは間違いありません。

こうした米中の対立の激化を受けて、ゴールドマン・サックスとIMFが相次いで、貿易戦争が続けば米中のGDP成長率が、年率0.6%-0.8%押し下げられるとの予測を発表しています。

米中の対立の激化を意味する3日連続の1ドル7元を超える元安基準値

以下の記事でも書きましたが、アメリカは1ドル7元に敏感になっています。為替操作国を指定したのは、市場価格で1ドル7元を超えて元安になった日でした。そして、人民銀行が2日連続で売買基準値を7元を超えて元安にした時に、大統領補佐官が「追加関税の効果を中和する元安には強い態度ででる」と警告を送っています。

人民元、基準値11年ぶりの低水準1ドル7元台で米国への刺激は必須。

そんな中での3日連続の1ドル7元安を超えての基準値設定でした。先週のトランプ大統領による、9月の貿易協議での合意は難しいとの発言もあって、米中貿易戦争は長期化が必須との声と、長期化を想定した経済損失予測が出始めています。

ゴールドマン米中貿易で米GDP0.6%%引き下げられると予測

投資銀行のゴールドマン・サックスは、9月1日の追加関税が発動されれば、2019年第4四半期のGDP成長率が0.6%引き下げされて、1.8%成長にとどまると予測しています。

今までの追加関税が0.4%分、そして9月の追加関税が0.2%分GDPの押し下げ要因になると見ているようです。

Goldman Sachs cuts growth forecast as trade war triggers recession fears(CNBC)

なお、ゴールドマン・サックスは米中の貿易協議は2020年の大統領選までには合意に至らないと予想するコメントも出しています。

IMF、全輸入品への25%課税で中国GDP0.8%押し下げと予測

一方で、国際通貨基金(IMF)は9日に発表したレポートで、もしも米国が中国からの全輸入品に25%の制裁関税を課した場合に、中国のその後1年のGDP成長率は0.8%押し下げられると発表しています。

このGDPの成長率減速は習近平主席にとっては、致命的なダメージを追うことになります。

中国は2012年に、20年までにGDPを倍増させる計画を立てており、そのためには19-20年で平均6.2%の成長が必要な状態でした。しかし、既に2019年4-6月に発表されたGDP成長率は6.2%で、これ以上は絶対に減速が許されない所まで来ています。

計画の未達が危ぶまれれば、習近平の体制に関わる問題になります。全ての輸入品に対して25%関税どころか、9月1日に発動予定の3000億ドル分への10%の課税すら、本当は発動されたくないはずです。

いまはハッキリと減速の色を見せてない米中のGDP成長率ですが、9月1日の追加関税以降にどのように変化するかに注目です。


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