予想以上に進むアメリカのインフレ率、株価は全面安。

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注目度がかなり高かった4月のアメリカの消費者物価(インフレ率)が発表になりました。

結果ですが、予想以上に4月にインフレが進んでいることが明らかになりました。その影響を受けて、株式市場も国債市場も大きく動いています。

  • 4月のアメリカの消費者物価は前年比+4.2%で上昇した。物価の目標値の2%は大きく上回った。
  • 物価の急上昇は3月から既に始まっていたが、4月はさらに伸びている。前月比+0.8%(年率9.6%)は過去10年に見られなかった上昇率。

予想以上に大きく進んだ4月のアメリカのインフレ

アメリカの消費者にもインフレのしわ寄せが来ているようです。21年4月の消費者物価は予想を大きく上回って、上昇しました。

2021年4月消費者物価

  • 前年比:4.2%(予想3.6%)
  • 前月比:0.8%(予想0.2%)

この読み方ですが、当然ながら「予想よりも大幅に上回る結果だったので良いニュース」ではないです。

インフレ率はお風呂の温度のように、冷たすぎても熱すぎても景気に害があり、だいたい前年比2%くらいが理想的とされています。今回の前年比4.2%という結果は、一時的なものかもしれませんが、それにしても上昇しすぎです。

また、特に注目したいのは前月比で0.8%という数字で、過去10年では見られなかった伸びになっています。「前年比0.8%」というと大きさが分かりにくいかもしれませんが、年率に直すと9.6%です。前年比2%のインフレどころではないハイペースなインフレ率上昇が起こっていたようです。

年率10%近くで上昇した21年4月の米消費者物価

アメリカはインフレ目標達成へ大きく前進

今回の消費者物価の結果で、アメリカが目指している「平均2%超えの物価」はかなりゴール達成に近づいたと思います。

もしも、今後残りの2021年を前月比0.1%の物価上昇のペースが続いたとしても、年末のインフレ率は前年比2.8%をキープできます(下図参照)。前月0.2%のペースなら前年比3.7%で、目標の2%を安定して超える見込みです。

金融緩和が解除されるのには「インフレ率目標(平均2%超え)」と「雇用の最大化」が必要で、4月の雇用はまだ十分に伸びていないので、インフレが進んだからといって金融緩和がされるわけではないですが、インフレに関するゴールの1つはほぼ達成される見通しです。

むしろ投資家の関心は、インフレが抑えられなくなる懸念に向かっています。

市場の反応


ここからは市場の反応を見ていきます。インフレ率が上がると長期金利は上昇しやすくなる理論通りに、まずは長期金利が大きく上昇しました。

大きく上昇した5月12日の米長期金利

昨日の記事で「投資家は長期金利が上昇すると見ているようだ」と言いましたが、市場の予想は当たっていた様です。

やはり、市場は賢いです。

長期金利が上昇すると株価には悪影響が出るので、この日は幅広い銘柄で売られました。

5月12日の米国株市場

ただし、その中でも「大手銀行」「製薬」「生活必需品」「石油」の株は下落率が小さかったです。

5月12日に下落が小さかった業界

この金利上昇時の株価の動きは、今まで2月3月で見られたものとほとんど同じでした。2月3月にちゃんと動きを観察している投資家であれば、今回のような下落はある程度防げたようです。

本当に恐ろしいのは政策金利が上がった後


株式市場は予想以上にインフレが進んで下落していますが、もともと5-6月はインフレ率が上がって株価が下がる場面があると警戒はしていたので、改めて何か心配事が増えたわけではありません。

株価についても、一時的な下落はあるかもしれませんが、それほど心配していません。

もしも、3月から4月にかけて急上昇した今回のインフレが、アメリカの経済再開と政府の3月の現金給付のタイミングが重なって生まれたものなら、恐らく長続きしないはずです。

もちろん、インフレ率が一時的かどうかはまだ判断がつかないですが、長くインフレが進むと不安になるならインフレに強い資産を持てば良いだけです。

いずれにしても本当に恐ろしいのは「今」ではなく、コロナの不況を支えた金融政策を解除して政策金利を引き上げた後です。

今まで高い株価を支えてきた低金利がなくなる前に、企業は予想を上回る利益を出し続けて米国株に広がっている割高感を解消させないと、政策金利が上がる局面のどこかで株価が崩れるように下落する恐れがあります。

政策金利引き上げまでは米国株への投資を続けて問題ないはずですが、金利引き上げ後の恐らく2022年から2023年頃に、米国株は試練の時を迎える気がしています。


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