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アメリカのインフレはしばらくは低下傾向だが、再燃するリスクはまだ存在する

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2023年も残り4ヶ月くらいになってきたので、現時点で見えている2024年のアメリカのインフレ率について書いておきたいと思います。

異論はたくさんあると思いますが、2024年半ばから2024年末頃までアメリカのインフレ率の低下が続くと思います。しかし、そのインフレ低下の期間が終わってしまうと、再びインフレは上昇に転じる恐れが今のところ存在しています。

1年くらい先のインフレ再燃を抑えるための取り組みが、今のFRBが発言している景気抑制的な金利の高止まりだろうと思います。

この記事のポイント

  • 今のアメリカの住宅価格は住居費が押し上げてる。
  • 住居費よりも先行して動く賃貸価格指数を見ると、住居費(および消費者物価)は、あと1年程度は低下すると思われる。
  • しかし、賃貸価格よりも更に先行する住宅価格指数を見ると、2023年に上昇の兆しがある。このまま行けば2024年後半にも消費者物価は上昇トレンドに戻る恐れもある。

アメリカの消費者物価と住居費

このブログでは何度か話をしていますが、今のアメリカの物価を押し上げているのは「住居費(Shelter)」です。

例えば、7月のアメリカの消費者物価は前年比3.2%の伸びでしたが、住居費の項目を除くと前年比1.0%にまで低下します。

この住居費には賃貸価格などが含まれるのですが、他の賃貸価格よりもかなり遅れて価格が下落することがわかっています。

例えば、Zillow賃貸価格指数に比べると、1年くらい遅れてようやく最近になって消費者物価の住居費が下がり始めたことがわかります。

もしも、消費者物価の住居費がZillow賃貸価格指数に遅れて動く傾向が続くなら、あと1年くらいは「住居費」は下がり続けるはずです。

なので、2024年半ばから2024年末くらいまでは住居費の伸び鈍化によるインフレ鈍化がアメリカで進むと思われます。

インフレ再燃のリスク

しかし、賃貸価格の鈍化が収まると、その先にはインフレ再燃のリスクも広がっています。

実はZilowには賃貸価格指数だけではなく、住宅価格指数も存在します。この住宅価格指数は賃貸価格指数よりも早く動くことがわかっています。

この住宅価格指数は最近は前月比で価格の伸びが加速しています。

まとめると、Zillow住宅価格指数→Zillow賃貸価格指数→消費者物価「住居費」の順番に価格が動いてくのですが、この3つの中でもっとも早く動くZillow住宅価格指数が2023年に上昇しているので、今後どこかでZillow賃貸価格指数→消費者物価「住居費」の順番に価格上昇の波が移っていく恐れがあります。

というわけで、賃貸価格指数が下がっている今から2024年半ばくらいまでの1年間はアメリカの物価は下がると思いますが、住宅価格が伸び続けるなら賃貸価格や住居費が上昇して2024年後半にも消費者物価は再び上昇する恐れがあると思います。

しかし、これはまだ決まった未来ではないと思います。

不動産価格の下落が引き金で何かのショックが起こったり、景気後退が起これば2024年を通じてずっと物価が低く抑えられるかもしれません。ただ、今のところはその兆候はまだないので、FRBは住宅価格をはじめ将来的なインフレ再燃を防ぐため、高い金利を維持しなければならないとコメントし続けることになりそうです。


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