インフレに対する警戒がやや強まった1ヶ月

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早いもので今日で5月も終わります。

明日からの1週間では5月分の経済指標が次々と発表される予定なので、その前にこの1ヶ月に発表された経済指標を振り返り、それに対する見方などをまとめておきたいと思います。

この記事のポイント

  • 2021年5月に発表されたアメリカの経済指標(4月分)を見ると、予想外に弱かったものが多かった。特に雇用の伸びは予想を大きく下回った。
  • 4月のアメリカは景気が悪かったわけではない。需要は強まっているのに原材料や人材が不足したために、生産やサービス提供が伸び悩んだ模様。
  • 需要に対して生産が限られたので、インフレへの警戒感が高まった月だった。ただし、株への影響は限定的で、まだ過度に弱気になる必要はなさそう。

予想外に弱い景気指標が続いた1ヶ月


アメリカでは2021年4月はかなり好景気だったと思われていたのですが、5月に発表があった4月分の経済指標は予想外に弱いものが多かったです。

その最たるものは、雇用統計でした。100万人近い雇用増加を見込んでいたのに、ふたを開けてみると予想を大きく下回る26万人増で、これほど大きな予想の外し方も記憶にないくらいでした。

4月にアメリカ企業が感じる景気についても、製造業サービス業も好調は維持していましたが、予想よりも弱い数字が並びました。

既に過去の記事でも話をしてきた通り、4月は決して景気が悪くかったわけではなく需要はあるのですが、(車メーカーにとっての半導体不足などのように)原材料の調達が難しく生産が伸びなかったり、必要な人材が十分に確保できずにサービスが満足に提供できないなど、供給側の問題があって景気が伸び悩んだようです。

インフレへの警戒感が増した1ヶ月

需要があるのに供給が十分ではない場合には物価の上昇を招くので、5月は投資家の間でもアメリカでのインフレへの警戒感が増した月になりました。

4月に発表された物価は消費者物価が前年比4.2%、生産者物価が6.1%と近年あまり見ないほど数字が高くなっています。

2021年に急上昇するアメリカの物価

少しだけ意味が変化した「一時的なインフレ」

もともと4月や5月は「一時的にインフレ率が前年に比べて上昇しやすい」と言われていました。

コロナの不況で景気が悪かった前年に比べると、インフレ率は高く見えてしまうためで、主に4-5月頃を指して「一時的」にインフレ率が上がると予想されていました。

しかし、最近では「一時的」という言葉が指す時期が延びたように感じます。中央銀行のFBRのメンバーの発言を聞いていると夏頃を指していたり、場合によっては2021年内を指しているように聞こえることもあります。

夏頃までインフレが高い状態が続くと見る人の考えの根拠を探ると、「前年の景気の低迷」だけでなく、前述の「人材や原材料の供給の問題」が夏頃まで続くと考えていることが多いように感じます。

今後のインフレが続くかどうかは「供給の問題が解決に向かっているか」を確認するのも良いかもしれません。

具体的には、企業の仕入れ価格の高騰が抑えつつ生産を拡大できているか(ISM指数)、賃金上昇が抑えつつ雇用が回復しているか(雇用統計)、あたりが見るべきポイントになりそうです。

インフレ懸念でも株価への影響は限定的

5月に発表された経済指標は、今後のインフレに繋がりかねない供給側の問題が見られたという話をここまでしてきました。

過度にインフレが進んだ場合には株価にも悪影響が出るはずですが、今のところ株式市場は落ち着いていて慌てる必要はなさそうです。

5月の1ヶ月でナスダック総合は下落しましたが、ダウ平均やS&P500は上昇して終えているので、インフレは今のところ株式投資家を脅かすものにはなっていないようです。

6月にインフレが更に進んでいることがわかれば、株価が下落することはあるかもしれませんが、それも私は一時的だと思っています。

近年のアメリカ株の株高は中央銀行のFRBが作り出したものなので、FRBがインフレが危険なれレベルまで進んでいると認めて金融緩和を縮小させたり終わらせるまで、株高の状態は続く気がしています。

2021年5月現在はFRBの一部でインフレを警戒をする人間が出てきた程度ですので、彼らの発言がどう変化していくのかを見ておけば良いと思います。


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