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下げ止まっているように見えるアメリカの住宅価格

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日本時間の今夜、少し注目している数字が発表されます。

S&Pケース・シラー住宅価格指数という経済指標で、アメリカの住宅価格を示すものです。

どうも最近は住宅価格が下げ止まってしまっているようなのですが、継続的に下げ止まってゼロ成長が続くならまだしも、反発してしまわないかどうかが気になっています。

この記事のポイント

  • この数ヶ月でケースシラー20都市住宅価格指数は下げ止まってしまっている。
  • インフレ鈍化のためには、住宅価格のさらなる下げが必要。だが、データの発表の早いZillow住宅価格指数をみると、この数ヶ月は年率4%台で住宅価格が上昇している。

下げ止まっているように見えるアメリカの住宅価格

アメリカのインフレ鈍化のためには、住宅価格が引き下げられ、家賃などの住居費が鈍化する必要があります。

しかし、2023年になってから、アメリカの住宅価格が下げ止まっているのではないかという心配が頭の片隅にあります。

アメリカの住宅価格の動きを見るために、少しデータが古いのですが前月までに発表されたケースシラー住宅価格指数を見てみましょう。

また、この記事を書いている時点での2023年2月分までしかデータが発表されていないのですが、最新のデータでは前月よりも住宅価格がわずかに上昇してしまっています。

以下のケースシラー住宅価格指数の前月比(年率)のグラフを見ると、2月にはわずかにプラス成長に戻っています。

順調に住宅価格が下がってくれた2022年後半は安心して見ていられたのですが、インフレ鈍化に向けて何やら少し不穏な空気が流れているのを感じます。

別指標では住宅価格上昇が2ヶ月続いている

世の中に存在するアメリカの住宅価格指数はケースシラー1つではありません。

ケースシラーは発表が遅いので、もっと早くにデータの発表が行われている住宅指数ではどんな動きが見られているのかを眺めたいと思います。

Zillow住宅価格指数では既に3月と4月分のデータも発表されているのですが、最近2ヶ月は年率+4%のペースで住宅価格が上がっていることがわかっています。

これは嫌な動きです。

これを見ていると今晩発表されるケースシラー住宅価格指数の3月分のデータも予想以上に上がっているのではないかという気がしてきます。

今後もしも継続的に住宅価格が上昇する流れができてしまうと今年のアメリカの政策金利はまだ引き上げられるか、来年以降のインフレ再燃の可能性が浮上してきます。

住宅価格上昇が再燃してしまわないか、この数ヶ月は少し気をつけて見てみたいと思います。


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