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好調をキープした米住宅。今後の経済の焦点は新型肺炎へ【20年1月住宅着工件数】

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2020年の住宅着工件数の発表がされました。結果はかなり好調でした。

経済指標の記事は地味すぎて、正直あまり気分が乗らないのですが、幸い今月も順調なアメリカの住宅事情が確認できたので良しとします。

この記事のポイント

  • 住宅着工件数は好調だった。絶好調だった前月よりは減少したが、力強い。
  • 1月の主要なアメリカの経済指標はほぼ出揃った。全体的にかなり好調で、アメリカの景気はまだ強いことが確認できた。
  • 1月の経済データは新型コロナウイルスの影響を受ける前のもの。これが2月以降どのように変わるかが注意。

さて、この記事の存在意義ですが、「新型コロナウイルスの影響を受ける前の、1月のアメリカの経済はだいだい順調だった」という一言に尽きると思います。

1月のアメリカの主要な経済指標は、今回の住宅着工指数でほぼ出揃いましたが、いずれも好調圏内をキープできています。

3月になれば、中国の新型コロナウイルスの影響を受け始めた2月の経済指標が発表されるはずですが、どこまで悪化するのかが今後の注目になります。

もしも3月発表の新型コロナウイルスで、ゾットするほど悪化している数字が出てきたとしても、慌てなくて大丈夫だと思っています。

新型コロナウイルスの致死率は2%程度なので、治らない病ではないです。一時的に景気が沈んでも、時間が解決してくれるはずです。

2月以降のデータで、景気の悪化が見られたとしても「悪化した状態がいつまで続くか」が問題なので、慌てず様子を見ていこうと思います。

1月も堅調だった米住宅着工件数

すでにお伝えしましたが、結果は良かったです。

前月の記事も書きましたが、住宅ローンの金利の低下も手伝って、好調をキープしている気がします。

特に何もいうべきことがないので、さらっと結果だけ確認します。

  • 住宅着工件数:予想142.8万件を大きく上回る、結果156.7万件(前回の162.6万件も下回る)
  • 建築許可数:予想145.0万件を大きく上回る、結果155.1万件(前回の142.0万件は上回る)

住宅着工件数は前月よりかは下がってしまいましたが、そもそも前月が好調すぎたので、高すぎるハードルだったと言えます。

以下のグラフでみても、前月より下がったと言ってもかなりの好調をキープしていることは明白です。

2月以降に新型コロナウイルスの影響は出るか

さて、アメリカの1月のアメリカの経済データがほぼ出揃いましたが、どのデータも結果はかなり順調でした。

1月米経済指標 予想以上 予想未満
前月以上 雇用統計
ADP雇用統計
ISM製造業
ISM非製造業
ミシガン大消費者信頼感
コンファレンスB消費者信頼感
建築許可件数
鉱工業生産
前月未満 住宅着工件数
小売売上高
  • ISM製造業指数:米国の製造業が感じる景気。6ヶ月ぶりの高水準
  • ISM非製造業指数:米国の非製造業が感じる景気。5ヶ月ぶりの高水準
  • 雇用統計:政府発表の雇用。2ヶ月ぶりの高水準
  • ADP雇用統計:ADP社が集計した企業の雇用増加数。12ヶ月ぶりの高水準
  • ミシガン大学消費者信頼感:消費者が感じる景気(500世帯調査)。8ヶ月ぶりの高水準
  • コンファレンスボード消費者信頼感:消費者が感じる景気(5000世帯調査)。5ヶ月ぶり高水準
  • 建築許可数:住宅建築の申請許可数。13年ぶり高水準

ちなみに、まだ2月20日にアメリカの景気先行指標LEI(1月版)という景気後退を占うのに大事な指標の発表がありますが、どうせ好調なので心配していません。

LEIは製造業と雇用の影響を強く受けますが、1月はISM製造業指数や雇用統計は強かったので、数カ月ぶりの強い数字が出るはずです。

2月経済指標に新型ウイルスの影響が出るかが焦点

新型ウイルスの影響が出る前のアメリカの経済データは順調そのものでしたが、一方で、今後は新型コロナウイルスの影響がどのように出てくるのかが注目です。

1月のデータが好調だった分、もしも2月の経済指標でウイルスの影響を受けているなら、前月比で低下がはっきりと見えるはずです。

アメリカ国内では新型ウイルスの感染者数はかなり少ないので、真っ先に影響が出るのは貿易を通じて中国と関連がある製造業(の特にサプライチェーン)でしょう。この製造業の景気は3月に入ってからすぐの、3月2日ISM製造業指数の発表でわかるはずです。

新型ウイルスが経済に与える影響はあったとしても数ヶ月の短期だと言われているので、驚くほど悪化した数字が出ても慌てずに「この悪化がいつまで続くか」を翌月以降の焦点にして、景気を追いかけようと思います。


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