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米国株の大きな下落を警戒するのは何年後か。

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昨日の記事では、短期的な米国株の動きは見通しがつきにくいのですが、長期的にはどこかで一度大きな下落を経験するはずという内容のものを書きました。

こういうと「長期的に来るはずの下落とは、一体何年後くらいの話をしているんだ」と読んでいる人は考えると思います。

株価が下がる時期を予想するのはプロでも無理なので正確なことはわかりませんが、とてもざっくりと何年くらいで下落が起こると警戒しているのかという程度(根拠の薄い感覚の話)なら、数字を上げることができます。

シナリオにもよりますが、早ければ3年以内に大きな下落が起こる可能性もあると思っています。

どんなに大きな下落がなく粘り続けた場合でも、2020年代のどこかで米国株が一度大きく下がる展開を想定しています。

この記事のポイント

  • ゴールドに対する米国株の割高度を見ると、過去に歴代最高の割高を記録したITバブル崩壊前の3年前の水準にまで上昇している。早ければ3年以内の下落を警戒。
  • また、2022年後半にアメリカで政策金利の引き上げがあるなら、それから3年程度(現在から4年後の2025年)は金利の悪影響での下落を警戒。
  • 現時点の米国株の割高度(PER)はかなり高くで、過去のデータでは今のPERで買っても10年後にほとんどリターンが出ていない。つまり、2020年代のどこかで下は落が起こる可能性が高い。

早ければ3年以内に下落が起こると思う理由について


米国株の下落が早ければ「3年」以内に来ると言った、「3年」はどこから来ている数字なのかを書いておきます。

根拠と言えるほどのしっかりしたものではないのですが、2021年の米国株は史上2番目に割高で、早ければ3年以程度でITバブルを超えて歴代最高の割高になる可能性があります。

以下は、ゴールドに対する米国株S&P500の割高度(S&P500の価格をゴールドの価格で割っただけ)のグラフですが、現時点は歴史的に見てかなり高い水準にあることがわかります。

ゴールドに対するSP500の割高度

グラフが上にいくほど割高なのですが、2021年8月現在の割高度はITバブル崩壊3年前の1997年と同程度です。

つまり、もしもITバブル期と同じような株価の上昇が続くなら、あと3年程度でゴールドに対して歴代最高の割高水準になる可能性があります。

ただ、今回も過去と同じように推移するとは限らないので、あくまでも可能性の話です。2021年はITバブル期のような過熱感は強くないので、2000年の割高度に達するには時間がかかると考えるのが普通です。

しかし、一方で現時点で既に1929年世界恐慌や、1970年代の高インフレ期の割高度に達してるので、実は3年待たずに株価の下落を迎えることもあるかも知れません。

いずれにしろ、米国株は長期投資家にとってはあまり嬉しくない価格にまで上がっているので、慎重に投資をする必要がありそうです。

政策金利の悪影響が出るは4-5年後

「早ければ3年後の下落」と書きながら思い浮かんだのは、アメリカの政策金利の引き上げについてです。

市場の投資家は2022年後半からアメリカは政策金利の引き上げがあると予想していますが、それはアメリカの景気を冷やし、株価を下げる悪影響があります。

こちらの記事でも調べたように、政策金利引き上げの悪影響が出るのは早くて3年半です。

政策金利引き上げが2022年後半で、悪影響の株価下落が早くて3年半後なら、2025年から2026年が怪しいことになります。

冒頭で話をした「早ければ3年後の下落」は2024年のことを指していたので、やや近いです。3年後もこの記事で書いたことを覚えていられるかわかりませんが、2024年〜2026年は警戒しておこうと思います。

2020年代には下落が起こると思う理由について


冒頭では、「少なくとも2020年代には下落がある」と書いた理由についても、簡単に触れておこうと思います。

実は先日このブログではPERと呼ばれる米国株の割高度を利用して、2021年の高いPERで米国株を買っても10年後は平均を大きく下回る株価上昇しか得られないという記事を書きました。

上記の記事では、購入時のPERごとに10年後にS&P500が年率何パーセントの株価上昇を得られたかを調べましたが、以下のグラフのように2021年のPERでは長期平均の5%を下回るとの結果が出ています。

この結果を見るに、おそらくこれから10年以内のどこかで株価が下落する可能性が高いと思いました。

さいごに

この記事では、早ければ3年程度で米国株は大きな下落が怒るかもしれないこと、また少なくとも2020年代に下落が起こる可能性が高いことを書きました。

悩ましいのは、今からその時までにどのような投資をするかです。

何年も後の下落を警戒しすぎて、あまりにも早い投資資金の引き上げをしてしまうと、長く続く株価上昇の恩恵が受けられないかも知れません。

まだ方針は決めていませんが、どのタイミングで守りを固めるか、どんな方法で守りの姿勢を取るかは考えて置かなければなりません。


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