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中長期的にはリスクを抱えていても、短期的には良い材料も見られる米国株。

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今の米国株は少し難しいです。

まず長期的な目線からすると米国株の多くの銘柄は割高で、今買ったとしても2020年代が終わったときには渋いリターンが出せていない銘柄少なくない気がしています。

また、1-2年以内に始まる政策金利の引き上げが早いペースで進んだ場合には、ITバブルの次に割高と言われている今の米国株がどこかで下落に転じる恐れもあります。

それでも今後数ヶ月程度の短期的な見方では、株への投資はそれほど悪い選択肢ではないと思っています。

この記事では、数ヶ月程度の短期的な視点で見られる、米国株の好材料の以下3つについて見ていきたいと思います。

短期的に好材料が見られる米国株

  • (1)4-6月の良好な米国企業の決算
  • (2)3月をピークに下がり続けている長期金利
  • (3)買われすぎている国債に比べたら、まだ割安と言える米国株

4-6月期の良好な決算


まず今後2-3週間のとても期間の短い話ですが、米国株に良いニュースになるだろうと思われるのは決算報告です。

これから投資家の注目度の高い企業が続々と2021年4-6月期の決算報告をしますが、多くの企業で良い知らせが聞かれるだろうと思っています。

既に4-6月期の決算を発表した企業は、業界問わずほとんどが売上も利益も予想を上回る好業績を残しています。

S&P500の中で既に決算を発表した8%分の企業の決算を調べてみると、次のグラフの通り、ほとんどの業界で予想超え(緑のグラフ)が多数を占めています。

4-6月期の決算シーズン初週は幅広い業界で予想超えの決算が続く

3月をピークに下がり続けている長期金利


一般的には、長期金利(10年国債利回り)が低くなれば株価は上昇する力が働くと言われています。

長期金利が低くなって国債に投資したときの旨味が少なくなってしまえば、投資家の資金は株に向かいやすくなるからです、

アメリカの長期金利は2021年3月にピークをつけていて、7月中旬現在まで下がり続けているので、しばらくは株に有利な投資環境が続くものと思われます。

最近の米国株では、アメリカの景気の先行きへの懸念からなのか、株が売られて国債が買われるリスク回避と見られるような動きも見られますが、基本的には長期金利は下がってくれたほうが株にとっては有り難いです。

買われすぎている国債に比べたら、まだ割安と言える米国株


少し前を振り返ってみると、2020年からかなり割高だったにも関わらず米国株が買われ続けてきた背景には、株よりももっと高い米国債の存在がありました。

以下の記事でも触れましたが、2020年のコロナの不況で打ち出した金融緩和のために米国債が大量に買われて、あまりに割高な国債に比べたら、まだマシな米国株が買われてきました。

2020年に米国株が上昇した理由の詳細記事:

2020年3月に比べたら、米国債に対する米国株の割安度は薄れましたが、2021年4月以降に国債がまた買われ始めたために、再び少しだけ米国株の割安度が少し戻ってきています。

米国債に対する米国株の割安度(超過CAPEレシオ)

出典:MacroMicro

冒頭で中長期的には米国株に大きなリスクがあると触れましたが、米国株の割安度が少し回復していることで、米国株に投資できる時期がわずかに延びたのだろうと思います。

まとめ


この記事では中長期的には米国株にリスクはあるものの、短期的には実は良い材料も多く見られることについて書きました。

中期的のリスクとしてあげた政策金利の引き上げは2022年後半から2023年末から始まると言われているので、その頃までは心配事がありながらも米国株は上がるのだろうと思います。

問題は政策金利の引き上げを早めるようなイベントが起こらないかどうかです。今のところ政策金利引き上げのタイミングが早まるような出来事は、アメリカのインフレが止まらなくことで、これは可能性が高くないと言われていますが、注意して動きを観察したほうが良いと思っています。


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