ディズニーの新動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」にとって、追い風が拭くキャンペーンが発表されました。
ベライゾンはディズニーが11月からアメリカで提供する動画配信サービス「ディズニープラス」を1年間無料で見れるようにするようです。無制限のワイヤレス契約、Fisoホームインターネット、5Gホームインターネットのいずれかを契約しているベライゾン顧客が対象で、既にディズニープラスを事前予約している人も1年間無料で視聴できるサービスが適用されると言います。
ディズニープラスは、ディズニーが社運をかけて取り組んでいる独自の定額制動画配信サービスで、契約すればディズニー・スターウォーズ・ピクサー(トイストーリーやモンスターズインク)・マーベルの作品を月額$6.99で見れるようになります。
このキャンペーンのおかげでDisney+はサービス開始から5000万人以上が見れるようになり、有料会員6100万人のネットフリックスに迫って一気にユーザを増やすことができるようになります。無料で視聴した後に、引き続きディズニープラスに加入するユーザも一定割合いることを見込んでのキャンペーンになっています。
Applt TV+と同様の無料キャンペーンでユーザ獲得へ
この1年間無料キャンペーンですが、アップルと同じ動きをディズニーとベライゾンはとってきましたね。
アップルはiPhone, iPad, Macなどの新製品を買ったユーザに1年分のApple TV+を視聴できるキャンペーンを打ち出して、オリジナル動画配信サービスのApple TV+の加入者数を増やすキャンペーンを先に打ち出していましたが、今回のディズニーとベライゾンはこれと全く同じ戦術をとってきました。
動画配信サービスはネットフリックス、Amazon、AT&Tのワーナーメディア、ディズニー、アップルと競合がひしめいているので、新規参入のアップルとディズニーはいかにしてユーザを獲得するかに工夫を凝らしているようです。
ところで、ディズニー株ってみなさん持ってますか。
ところで、最後に純粋な疑問なのですが、日本人の米国株投資家でディズニー株を買っている人があまりいないことが、ずいぶん前から気になっています。かなり有名な企業なのですが、この株を保有している人はたまにしか見かけません。
長期的には株価を見るとかなり右肩上がりなんですが、やはりネットフリックスやロクなどが今のアメリカでは主流で、ケーブルテレビなどの既存メディアを抱えるディズニーは過去のものになるという認識が強いのでしょうか。
日本の個別株に投資している人は、「配当が高ければ買う投資家」、「成長株を買う投資家」、「プロ顔負けにビジネスを理解してから株を買うかなりの玄人」に極端に分かれている気がしますが、どの投資家の心にも刺さっていない気がしています。
- 直近の配当1.35%と控え目で、配当好き投資家の目に止まらない。
- 売上成長率はテクノロジー企業などに劣るので、成長株投資家の目にも止まらない。
- ビジネスを理解してから株を買う玄人には、ディズニーの映像コンテンツは独自性が高く(経済的な濠が深い)ので魅力に感じつつも、今は動画配信サービスなど新規の事業を行っている変革期で不安定な状況なので追加投資がしづらい。
おや、悲しい展開ですね。2013年からディズニーに投資している私は、もう少しこの企業が評価されていてもいいのになと寂しい思いをしています。
今はたしかに動画配信サービスは過渡期を迎えてて、ディズニーは激しい競争の真っ只中にいます。ひょっとするとディズニーは、ネットフリックスやAmazon、多くの配信者と結びついて勢いがついているYoutubeを抱えるGoogleに敗れて、ディズニープラスなどの動画配信サービスでうまく結果がでない恐れもありますが、それでも独自性の高いコンテンツ制作能力があります。
ディズニーは10年に渡って計画的に買収を進めてきた結果、保有する作品のラインアップがすごい事になっています。
- 「アナと雪の女王」「ベイマックス」「シュガー・ラッシュ」などのディズニー映画
- 2006年ピクサー買収で獲得した「カーズ」「トイ・ストーリー」など
- 2009年マーベル買収で獲得した「スパイダーマン」「アベンジャーズ」など
- 2012年ルーカスフィルム買収で獲得した「スター・ウォーズ」シリーズ
- 2018年FOX買収により獲得した「アバター」「X-MEN」「タイタニック」など
動画配信サービス業界の寿命よりも、優れたコンテンツを作り出せる能力の寿命のほうが長いことを信じて、私は長期目線でディズニーに投資しています。