低迷する米ホテル業界の株を買うなら、どこの企業か。

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この記事では、新型コロナウイルスの影響を受けて低迷しているアメリカのホテル業界の株なら、どの企業が良いかを考えていきます。

同じような趣旨で「航空業界で株を買うなら、サウスウエスト航空なら投資できそう」という記事を先日書きましたが、今回はホテル業界版の記事になります。

ホテル業界は航空業界よりも少しばかり回復が早いだろうと期待されていますが、それでも2019年のコロナが流行る前からアメリカのホテル業界は債務超過に陥っている企業が見られるので、銘柄は慎重に選ぶ必要がありそうです。

この記事では、マリオット(MAR)、ヒルトン(HLT)、ハイアット(H)の3社を比較してみました。

結論から言うと、ホテル業界で倒産しないことを重要視して銘柄を選択するなら、ハイアットの財務が一番健全で、投資先としては比較的安全に見えます。

この記事のポイント

  • 低迷するアメリカのホテル業界で有名なマリオット、ヒルトン、ハイアットで財務の健全性を確認した。
  • ハイアットが比較的健全な経営をしており、3社の中ではコロナの危機を乗り越えられる可能性が一番高い。
  • 新型コロナウイルスの収束は2年とWHOが見通しを出しているが、今後2年ほどかけてハイアットが元の株価に戻るなら、+45%ほどの上昇幅がある。

財務状況が一番健全なのはハイアット


今のホテル業界はとにかく、どの企業も売上が急減して赤字の状態にあるので、コロナ危機を乗り越えられる財務の健全性があるかをチェックしていきます。

財務の健全性は次の2点を、20年4-6月期の決算書で確認していきます。

  • 流動比率(Current Ratio):今後1年の負債などの支払いに対して、現金が十分にあるか。この値が大きいほど安全。
  • 負債比率(Debt/Equity):負債額を自己資本でわった値。この値が小さいほど安全。
企業名 流動比率 負債比率
マリオット 0.67 (債務超過)
ヒルトン 1.98 (債務超過)
ハイアット 2.76 0.82

マリオットとヒルトンは、債務超過で負債比率の計算ができない状態になっています。もしも、債務超過の企業の株はリスクが高いから買わないという投資家なら、この時点でハイアットに絞られます。

債務超過でも問題ない企業もいる

しかし、フィリップ・モリス(PM)やドミノ・ピザ(DPZ)など、長年に渡って債務超過でも何も問題になってない企業もあることを投資経験が豊富な人なら知っていると思います。

債務超過というと悪いイメージがありますが、フィリップ・モリスやドミノ・ピザの場合は、たくさん稼いで自社株買いを積極的にした結果、債務超過になっている企業です。

なので債務超過だからといって、すぐに「倒産の危機だ」と考えると判断を誤ってしまいます。

マリオットは現金の量に不安

そこで、先程の表をもう一度見直して、比較できる流動比率だけでもみてみます。すると、マリオットは0.67と低い数字に沈んでいるのが、気になります。

企業名 流動比率
マリオット 0.67
ヒルトン 1.98
ハイアット 2.76

流動性比率が0.67というのは、ざっくり例えると、今後1年で100万円の支払いが予定されているのに、67万円しかない状態です。

黒字の状態ならまだしも、赤字でこの状態は不安が残ります。マリオットは今後数ヶ月のうちに、負債を増やすか何かしらのほうほうで現金を確保をする必要が出てきそうです。

ちなみに、どれだけ大きな債務超過になっていても、フィリップ・モリスもドミノ・ピザなどの優良企業の場合は、手元の現金はかなり豊富に持っています。フィリップ・モリスは今後1年分の支払いで必要な現金を常に手元に確保しているので、流動比率で1を大きく下回ることはまずありません。

この時点で、マリオットは購入候補から1歩後退です。

社債発行に有利なのはマリオットとハイアット


どの企業も赤字の状態が続けば、いずれは社債を発行して(借金して)、資金を確保しなければいけなくなりますが、その時に格付けが高い企業であれば、低い金利で負担を抑えながらお金を借りることができます。

S&Pの格付けを見てみると、マリオットとハイアットは「投資適格」で有利な条件で借りられる一方で、ヒルトンは「ジャンク」の格付けなので高い金利でしか新規の社債発行できないことがわかります。

企業名 格付け 見通し 評価日
マリオット BBB-(投資適格) ウォッチネガティブ 7/30
ヒルトン BB(ジャンク) ネガティブ 6/23
ハイアット BBB-(投資適格) ウォッチネガティブ 4/20

マリオットもヒルトンも債務超過でしたが、ヒルトンのほうが債務超過の割合が大きいのでジャンク債の格付けがついてしまっているのかも知れません。

今後の債務負担を考えると、ヒルトンも一歩後退した印象です。

さいごに


マリオット、ヒルトン、ハイアットの3社で財務の健全性をみてきましたが、3社のなかでは消去法でハイアットが経営状態が比較的良いと言えそうです。

もちろん、ハイアットも新型コロナウイルスの影響を大きく受けて苦しんでいるので、ハイアット株の購入にもかなりリスクがあると思います。リスクが大きいので、大金をかけて主力銘柄するのも違う気がします。

しかし、もしも今後2年ほどかけて売上も株価も80ドルまで戻るなら、現在の株価54ドルから+45%の上昇になります。2年で45%が実現できるとしたら、少しトライする分には悪くない投資のリターンです。


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