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長期投資家が株の売却を決めた理由。年率7%の安定したリターンを捨てる覚悟。

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投資スタイルの変化

前の私のブログの時代から読んでいただいている読者の人には、最近の私の投資のスタイルが大きく変わったなと思ってることと思います。(前ブログから読んでいただいている少数ながら貴重な方々、いつも本当にありがとうございます)

昔は、コカ・コーラやP&Gなどの老舗世界的な企業ばかりを保有していましたが、今ではクラウド企業のAmazon、Microsoftを購入銘柄候補に据えています。

【投資銘柄考察】Amazon, Microsoft, Google。投資テーマはクラウド。

また、2013年ブログ開設当時から購入した株は売らないで保有し続けていたのに、最近ではどの銘柄を売るかの検討する記事を書いている次第です。

米中貿易の再燃で、荒れる市場。銘柄の売却方針を検討。

芯が折れたのかとの声は聞こえそうですが、今一度この場でなぜこのような変化を遂げることになったのか、話を整理したいと思います。結論だけ先に話をすると、資産の増加スピードを上げたいのが主な理由です。

投資のリターンを決める、投入資金・年率リターン・投資期間

このブログで何度かお話をしていますが、投資の成績を決める大きな要素は「投入資金」「年率リターン」「投資年月」の3つで、ざっくりいうと次のような式で資産が算出できます。

(資産額) = (投入資金) × (年率リターン) × (投資期間)

この式を見ると、投入資金は多ければ多いほど、株のリターンは大きければ大きいほど、投資期間は長ければ長いほど、資産が大きくなることがわかります。

また、この式を別の角度から覗いてみると、目標とする資産が1億など具体的な目標がある場合に、目標金額に到達するための投資期間をできるだけ短くしたいと思うなら、「投入資金を増やす」か、「株の成績である年率リターンを上げる」の2つしか方法がないこともわかります。

ただし、多くの人にとっても投入資金はすぐに増えないですし、自分の人生の中のどこかで投入できる資金も限界を迎えます。この前提を置くと、いち早く目標金額に到達するためには、実は投資の年率リターンを上げるしか方法はありません。

加えて、私個人の事情ですが、去年に比べて今度数年間はおそらく投入できる資金の金額が大きく減ります。その中で、当初プランよりも早いペースで資産を増加させるには、なおさら年率リターンを高めなければなりませんでした。

売らない戦術のデメリット

しかし、株投資の年率リターンをあげようと思うと、株を売らずに保有することの欠点が見えてきます。既に50近い銘柄を保有している私ですが、それらの株を売らないでいると、良くも悪くも市場平均と同じような成績に落ち着いて年率7%程度のリターンしか挙げられなくなるのです。

一般的に、株は数多く保有するほど、市場平均の成績に似ると言われます。ダウはたった30銘柄でも、500銘柄もあるS&P500とほとんど似た成績になることはよく知られています。いわんや、私のポートフォリオは50銘柄です。理論的に私の株の成績は、市場平均程度に収まり、それを超えることは難しくなります。

だから、やむなく、売らない戦術を見直さざるを得ませんでした。それは今までの「売らない」から、「高く売って、安く買う」戦術へのモデルチェンジになります。

株価の変動ではなく、景気サイクルを予測する

ここで、株をよく勉強している人ほど、「高く買って、安く売る」のはプロでも難しいことなんじゃないか、との反論の声があるのは知っています。実際、私も過去に書いた記事で、短期的な相場変動を読む能力が自分に全く無いことは認めていますし、急にその能力を身についたとも思っていません。

ポイントは『短期的な売買は』読めない、という点です。明日や1ヶ月後の短期的なことを予測が難しくても時間を長期にとれば、予測の容易さは格段にあがります。

極端な例では、世界の人口は今後増加することはほぼ間違いないですし、5年後10年後の日本の消費税が今よりも高くなっていることも間違いなさそうです。

また、予測音痴な私も今が不景気か好景気かくらいはわかるつもりです。そして、今が好景気から景気後退へ突入する時期だということも、なんとなくわかります。だから、予測の精度を保てるように5-10年で循環する景気サイクルの読みに焦点を当てて、景気後退のタイミングに向かって株を減らし、株価が底を脱してしばらく経ったら、株を増やすくらいにゆるく資産の流動性を出そうと考えています。

売らない戦術を手放すという諸刃の剣

年率リターンを上げることを目指すのは、諸刃の剣です。複数銘柄の長期保有やインデックス投資は、理論的に平均年率7%程度のリターンが得られることがわかっているのに、その安定性的なリターンを手放すことになります。

しかし、物は考えようで、株を売る行為は別にそこまでリスクがあるわけではない気もします。もしも、想定以上に早く景気後退の株価暴落が起こってしまって売り逃したら、結果的に従来どおり「売らない」戦術になります。

また、売るタイミングが早すぎて売却後に株価が上がってしまったとしても、儲ける機会を逃しただけで、自分の資産が減るわけではありません。売らない戦術を手放すことで安定したリターンは切り捨てることになりますが、想定されるリスクは機会損失だけなので、それで自分の生活が危うくなることはありません。

何かを得たいと思ったら、何かを失う覚悟が必要です。

この5-6年で安定したリターンを得る方法は習得して実践できました。次市場にやってくるのは、10年ぶりの不況と株を安く買える絶好のチャンスかもしれません。

私にとって社会人になってから、まとまった資金がある状態での初めてチャンスが訪れようとしています。安定したリターンを捨てるリスクを取ってでも、それ以上のリターンを手にしたいと思っています。

結果失敗したら、また元のスタンスに戻せばいいだけです。


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