経済や投資の専門家からアメリカの景気を悲観的に見る意見や、V字回復を疑う発言が次々と出てきています。
まあ、そうですよね。
毎週木曜日に報告されるアメリカの失業保険申請者数の急増や、キレイに減少せずに横ばいが続くアメリカの新型肺炎の新規感染者数のグラフを見ていると、私ですらV字回復の望みが薄れていくのを感じます。
ただし、市場全体が弱気になる年だから、投資を控えるというのは違う気がしています。たぶん、やるべき行動は逆です。
専門家のいうように、恐らくこれからアメリカの景気も株価もまだ下げると思います。ただし、もしも市場全体が弱気になって下落するなら安値になっているはずなので、進んで買いにいかないといけません。
2-3年先をみるなら株、5-10年先も見据えるなら金や不動産の購入もターゲットに入ると思っています。
この記事のポイント
- 経済の専門家や投資家の間で、アメリカはV字回復が難しいと見る動きが広がってきた。
- まだ専門家の意見が集約されてきただけの段階だが、これから株の下落が起これば、市場全体に弱気な考えが広まる。その時、株価は大きく売られる可能性がある。
- バフェットは「まわりが臆病な時ほど、強欲になるべし」と言った。2020年が失われた年になるなら、次に下落したときに取るべき行動は守りではなく、攻め。
弱気になる著名人達
最近は、経済や投資の専門家からアメリカの景気を悲観的に見る意見が続々と聞こえてきます。
アメリカの経済に弱気になる専門家達
- レイ・ダリオ(投資家):二桁の失業率、10%のマイナス成長、ゼロ金利になっている現状は、1930年代の世界恐慌以来。
- モハメド・エラリアン(エコノミスト):V字回復は難しい。電球のスイッチのように、オフになっている経済をオンに切り替えるようには行かない。ウイルスとの戦いは、長引く。
- バーナンキ(元FRB議長):(V字回復ではなく)かなりゆっくりとした活動再開を余儀なくされる。その後も、経済活動が鈍くなる恐れもある。すべてうまく行えば、1-2年でいい状態に移れる。
- カシュカリ(ミネアポリス連銀総裁):V字回復は難しい。世界は経済活動の再開とともにウイルス拡大の危機にさらされている。医療と経済は18ヶ月戦略で考える必要あり。
- バイロンウイーン(ブラックストーン副会長):2020年は失われた年になる。企業収益がいくらになるか予想がつかない。
この1-2週間で専門家達の意見は、弱気な方向に急速に集約された印象を受けます。
直近3週間で株価が上がっているが、まだ楽観は危険
ところで、最近の株価はというと、この3週間は比較的順調に上昇を続けています。
直近の株価の上昇要因
- 株式市場が、中央銀行FRBとアメリカ政府の経済支援策を好感している。
- 2020年2-3月中旬までの急激な株価変動で弱気派は既に株の多くを売っているので、悪材料に反応しにくくなっている。
ただし、このブログで何度も言っているように、予想を上回るペースで増加を続ける失業者数の悪影響は、まだ市場に織り込まれていないように見えます。
また、今後は企業の決算で大きな利益減が報告されたり、有名な企業で経営難の問題が公になるなどのニュースが流れれば、新型コロナウイルスの収束でV字回復を遂げると考えている強気な投資家の心理をくじく可能性があります。
この記事を書いている4月13日では、有名投資家や経済の専門家の意見が集約されてきただけの段階ですが、これらの弱気な考えが市場全体に広まれば、その時は株価は大きく売られる可能性があります。
臆病なときに、強欲になるべし
専門家の弱気な発言をきいていると、つい守りに入りたくなりますが、もしも今後市場全体が弱気な反応をするなら、それは大きなチャンスだと思っています。
「他人が強欲なときに臆病になり、他人が臆病なときに強欲になれ」とあのウォーレン・バフェットも言っています。
この言葉通りに行動するなら、守りに入るべきだった時期はすでに2020年2月までに終わりました。2019年後半から2020年年明けまで、マイクロソフト、アップル、もしくはS&500のインデックスさえ買っていれば儲かるという市場の声を多く聞きましたが、今振り返るとこのときが守りを固めるべき時でした。
2020年2月から新型コロナウイルスで株価急落すると、市場の心理は明らかに変わったと思います。国債や金などで株の下落を防いだ投資が称賛されるようになりました。
既に2019年に比べると、市場の心理は明らかに株に弱気に変化しています。バイロンウイーンのような先見の明がある専門家だけでなく、市場全体が2020年は失われた年になると考えるようになれば、長期的に見て2020年は安く買える攻め時なのかも知れません。
最後に、今私が考えていることを箇条書きでまとめておきます。
- 経済や投資の専門家たちは急速に弱気な意見に変わっている。今後、弱気な意見は市場全体に広がれば、株の大きな下落がありえる。
- バフェットの格言通りなら、市場が弱気になった時こそ攻め時。
- ただし、強気に攻めると言っても、株価の下落が起こらないことを信じて行動するという意味ではない。むしろ、何度も大きな下落があることも想定して、株の下落が起こる度に投資する。
- 2-3年先をみるなら株、5-10年先も見据えるならインフレも考慮して、金や不動産の購入もターゲットに入る。現時点は、株中心の投資を検討(金や不動産のリターンが高くなる前に、株高が来ると考える理由はこちらの記事を参照)