コンテンツへスキップ

アドビのFigma買収と決算発表について【2022年第3四半期決算】

  • by

アドビから第3四半期決算が発表されました。

決算の結果はマチマチでしたが、それ以上に同日に発表されたFigmaを200億ドルで買収する件に反応してアドビ株は大きく下落しています。

この記事では買収について触れた後に、第3四半期の業績を見ていきます。

2021年の年末から今日までにアドビの株価はかなり下がったので、もしもこれから米国株を買いに向かう展開になれば、この銘柄は買いの有力候補になると思います。

この記事のポイント

  • アドビは、アプリやWebサイトを作るデザイナー向けサービスのFigmaを200億ドルで買収する。
  • 2022年第3四半期は一株利益も売上も予想以上の結果を残したが、業績見通しは売上がわずか前年比+10%で低迷。
  • 2022年にアドビは株価を大きく下げた結果、2020年4月以来の安さになっている。チャンスの芽は大きくなりつつある。

Figma買収


投資家はどうも決算よりもFigma買収に反応しているようなので、先にFigmaについて触れておきます。

株価が下がった理由は、恐らく買収の金額が大きすぎると投資家たちは判断したのではないかと思います。今回の買収は200億ドル(2.8兆円)ですが本当にそれだけの価値があるのか、買収後にFigmaを活用してどのように業績を伸ばすのかが(少なくとも私には)まだ見えてきません。

200億ドルの買収はかなり高い気がしますが、ただユーザからとても評判が良い製品を買収したことは確かです。

Figmaはアプリやwebサイトのプロトタイプ(見た目だけ完璧なアプリやWeb)をサッと作れてしまう便利なサービスで、デザイナーに絶大な人気を誇っています。

Figma公式サイト

私もデザイナーと仕事をしたときに数ヶ月だけFigmaに触れましたが、使っていて楽しいツールでした。アドビの主力製品は動画クリエイターやイラストレーターなどのクリエイター向けソフトなので、アドビの製品とFigmaは相性は悪くないはずです。

2022年第3四半期業績


買収報道からしばらくして2022年第3四半期の業績も発表されたので、その数字も振り返ります。

9月2日までの3ヶ月間の業績は一株利益は予想超え、売上は予想に一致とまずまずの結果でした。

  • 調整後一株利益:$3.40(予想:3.33)、前年比+9%
  • 売上:$4.43B(予想:4.43B)、前年比+13%

ただし、過去数年のアドビの成長率が頭に入っている人は、この数字はかなり物足りないと感じるはずです。

売上の前年比13%成長は、新型コロナウイルスが流行りだした2020年よりも低い成長率です。

また、営業利益はアドビのものとは思えないほど低い伸びを見せています。売上に対して利益が伸びていないところに、苦戦が見受けられます。今はかなり厳しい時期に入っているように見えます。

また、次の四半期の業績見通しを見ても、売上が予想に届かないなど不安定な一面を覗かせました。

2022年第4四半期の業績見通し

  • 一株利益見通し:$3.50(予想:3.47)
  • 売上見通し:$4.52B(予想:4.6B)

もしも売上が業績見通し通りなら前年比+10%となります。アドビにとって苦しい時期はまだ少し時期が続きそうです。

ただ、長年アドビを買いたいと思っていた投資家にはそろそろチャンスの芽が生えてきたかもしれません。アドビの株価は既に過去2年分の上昇を打ち消して、2020年以来の安さになっています。

今のアドビは苦戦をしていますが、前年のやや好調だった業績の反動を受けています。主力製品はマイクロソフトのOfficeのように、なかなか他に代えがきかない製品なので、まだまだ長期的に業績の伸ばすはずです。

これから米国株全体はまだ下がると思っているので、今はアドビを買うつもりはありませんが、良い候補の一つになってきたことに間違いありません。

>>米国株が今年の安値を更新しそうな理由(22年9月7日)


本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。