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ディズニーに復活の兆し。テーマパークの利益が急回復【22年第1四半期決算】

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2021年10-12月期のディズニーの決算発表がありました。結果はかなり良かったと思います。

毎回の決算で注目を集めている動画配信サービスのDisney+は予想以上の契約者数の伸びを見せました。また、新型コロナウイルスの影響では赤字が続いたテーマパークの営業利益で大幅な黒字になるなど、良い材料が見られています。

この記事のポイント

  • 2021年10-12月期のディズニーは売上も一株利益も予想を上回った。
  • この決算で投資家が安心したはずの材料は2つあった。1つはDisney+の契約者数の伸びで、これは予想を上回った。
  • もう1つの安心材料は、新型コロナで低迷していたテーマパークで大きな利益が出たこと。ディズニー株の一株利益が上昇する材料は揃いつつある。

好業績だったディズニー


前回はスッキリしない決算でしたが、今期のディズニーの決算は良かったと思います。

売上も利益も予想を超える内容で、特に利益は予想していた数字よりもずっと良いものが発表されています。

  • 売上:$21.82B(予想:$20.91B)
  • 一株利益:1.06ドル(予想:$0.63)
単位B:10億ドル 22Q4 前年比
売上 $21.8B +34%
営業収益 $3.3B +145%
調整後一株利益 $1.06 +231%

勘が良い人はこのような数字を見ただけで気づくかもしれませんが、こういう利益が大きな伸びを見せた時には赤字で苦戦していた事業が損益分岐点を超えて大きな黒字を出していることが多々あります。

今回のディズニーもそのケースでした。詳細はのちほど触れますが、テーマパークがコロナ流行前のような規模で利益を出し始めたようです。

話をディズニー全体に戻しますが、売上と一株利益の推移を表した2つのグラフを見る限り、今期もコロナからの業績回復が進んだ様子が見られます。

上のグラフを見ると、今期は新型コロナウイルス(オミクロン株)の影響もあったはずなのに前回の決算よりも売上成長が加速してるのは好印象でした。

そのため、一株利益も前回の決算から大きく伸びています。

今回の決算で見られた好材料


今回のディズニーの決算では、良い材料がいくつか見られました。

  • Disney+の契約数が予想を上回った。
  • パークの営業利益が初めて黒字になった。

Disney+の好調

まず、1つ目はDisney+の伸びが予想を上回ったことです。

  • Disney+会員数:1億2980万人(前年比+30%、予想:1億2575万人)

とは言え、少し前のDisney+の会員数の伸びの凄さを知っていると今期の+30%の成長率は確かに物足りなさを感じるかもしれません。

でも、この分野でライバルのNetflixが2021年半ばから前年比で一桁%の伸びでどとまっている中、disney+の契約者数の伸びが(前期比で見比べたときに)再加速できたのはかなり好印象です。

契約者数も1.3億人に迫り、2年のサービス開始当初はNetflixと肩を比べるような存在ではありませんでしたが、だいぶ遠い背中が近づいてきたようです。

テーマパークの利益が大幅に増加

もう一つの良い材料は、低迷していたテーマパークの営業利益が大きく黒字化したことです。

下の図のように、新型コロナウイルスが流行してからはテーマパーク部門で大きな営業利益が出ていましたが、今期はコロナ流行前に迫るような利益を出すことができました。

この影響はかなり大きく、ディズニーの一株利益も急回復しています。

ディズニー株の一株利益がコロナ前の水準まで回復するのには、恐らくそれほど時間はかからないはずです。

今後の課題はdisney+の利益

コロナ直前の利益への回復が見えてきたら、次の数年で目指すのは動画配信サービスへの投資で利益が減る前(具体的には2018年)の状態に利益を戻すことです。

動画配信サービスで利益を出せるようになるまでは時間はかかりますが、ディズニーなら恐らく大きな問題なく値上げを進めて利益を出せるようになるはずです。

今のdisney+は赤字ですが、それはユーザ獲得するために低価格に抑えているからです。ユーザの伸びが大きく鈍化すれば、次にいよいよ値上げをすることになりますが、現時点でDisney+のユーザ単価はわずか$6.68で、Netflixよりも大幅に安いので、値段を上げる余地は十分にあります。

つまり、ディズニーはコロナの悪影響をほぼ乗り越えつつあり、次なる壁は動画配信サービスの黒字化も時間はかかってもディズニーほどのブランドであれば難なくやってしまうと思います。

私の考えでは、ディズニーは企業の動きだけ見たときには既に株を買い増しできる時期に入ったように思います。

問題はアメリカの今後の景気鈍化や金利などの経済全体の動きです。個別企業の業績がどんなに上向いていても、大きな景気の流れのために今買ってもしばらく株価が冴えないのではという心配はあります。

私はこの企業の強いブランドが魅力でで10年近く一定の株は売らずに保有し続けているのですが、そういう長期投資の枠の中で買い増しをする分には今のディズニー株は良いのかもしれません。


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