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アメリカの新規失業保険申請件数が増加傾向。このペースなら10月にリセッション入りか。

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毎週木曜日には、アメリカの新規失業保険の申請件数が発表になります。

この値が最近はスルスルと上昇しているように見えます。なので、この数字を使って、少し遊んでみたいと思います。

この記事のポイント

  • 5月6日週の新規失業保険の申請件数は予想を上回って、26.4万人になった。
  • 過去の景気後退を見ていると、だいたい新規失業保険の申請件数が35万人を超えたあたりでアメリカはリセッションになっている。
  • 最近の上昇ペースが続くなら、23年10月頃にリセッションになる。

予想を上回る失業者の数

アメリカがいつリセッション(景気後退)になるかは、失業率がどれだけ早く上昇をするかにかかっています。

なので、リセッションの足音をいち早く知るためには、毎月の雇用統計や毎週の失業保険申請件数を注目すると良いです。

というわけで、今週も木曜日に発表された新規失業保険の申請件数を見てみたのですが、どうも予想よりも失業者の数が増えていたようです。

  • 予想:24.5万人
  • 結果:26.4万人

この数字の見方は、先週別の記事でも紹介しましたが、35万人を超えると過去のアメリカではだいたいリセッションになっています。

リセッション突入時期 新規失業保険申請件数
1990年7月(湾岸戦争) 36万人
2000年3月(ITバブル崩壊) 37万人
2007年12月(世界金融危機) 34万人

>>【参考】アメリカのリセッション突入の判断基準

最近のアメリカは2022年9月に失業者保険申請件数の底をつけてから、スルスルと上昇しているように見えます。

このペースで失業者が増えると

ここで、少しデータを使って遊んでみたいと思います。

新規失業保険の申請件数は2022年9月末に底を打った後に上昇に転じていますが、2022年9月から現在までのペースが続いた場合に、何月になったら新規失業保険申請件数が35万人を超えるでしょうか。

データを集めて回帰分析をしたところ、今のペースが続けば下図のように2023年10月以降に35万人を超えるという結果になりました。

(※実際にはまず線形回帰をしてみたのですが、直線では決定係数が低くうまく表現できている気がしなかったので、上のグラフのように二次関数で近似しています。)

なるほど、今のペースで失業者が増えた時には、どうも2023年10月頃にリセッション入りするようです。

もちろん、実際には失業者の増加ペースが一定ですすむわけではなく、早くなったり遅くなったりするのでこの回帰分析は正確性には欠けます。でも、どうもあと1-2ヶ月でリセッションになるような展開ではなさそうだと言う雰囲気は感じ取ることができます。

先日の書いたように6月以降にアメリカの雲行きは怪しくなってくるはずなのですが、失業者の増加ペースから判断するともう少しだけリセッションまで時間がかかるようです。

>>アメリカ経済の雲行きがあやしくなるのは6月以降


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