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予想以上に落ち込んでいるアメリカの求人件数

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このブログでは、アメリカのインフレは既に下降トレンドに入っているという話をしています。

>>2024年までアメリカはデフレに向かう

まだ、数年後にアメリカの物価が上昇するリスクはありますが、この1年くらいの見通しならやはりインフレ低下が続くのではないかと思います。

そして、また一つインフレの低下が続きそうなデータが発表されたようです。

この記事のポイント

  • 3月求人件数が発表されたが、予想以上に落ち込んでいた。
  • 賃金が伸びてインフレが続く心配はそれほどしなくて良くなった。
  • レイオフされている人数も少しずつではあるが、着実に増加している。アメリカの景気は緩やかにリセッションにむかっていることが確認できた。

予想以上に低下しているアメリカの求人件数

3月のアメリカの求人件数が発表されました。

結果は事前にエコノミストたちが予想していたほりも早いペースで企業の求人数が減っている様子が見えてきました。

  • 予想:973.6万件
  • 結果:959.0万件
  • 前回:997.4万件から993.1万件へ下方修正

グラフで見るとよりわかりやすいかもしれません。次のグラフは過去5年間のアメリカでの企業の求人件数を図示したものですが、2022年3月につけたピークから大きく減っていることがわかります。

この1年間で企業は求人の数を減らしてきましたが、このペースはいまも緩むことなく続いているように見えます。

4月も求人件数は低下か

そして、恐らくこの傾向は4月も続いていると思われます。

今回の求人件数は3月分のデータを政府が集計したものですが、民間企業のインディードが発表している4月28日までの求人件数(下図)を見てみると、4月も求人数は低下が続いているように見えます。

この状態なら、賃金上昇がアメリカのインフレを押し上げる心配は今はしなくて良さそうです。

レイオフの数も増加傾向へ

求人件数と同時にレイオフの件数も発表されているのですが、これも少し気になる動きが見られます。

下の図は過去1年間のアメリカでのレイオフの件数ですが、どうも去年の半ばから増加している傾向が見られます。

アメリカも景気拡大期が終盤に突入しているのか企業が雇用を減らすだけではなく、人員削減も行ってコストをカットしていることがわかります。

ただ、まだ失業者の絶対数は多くはないようです。別のデータになるのですが、毎週の新規失業保険申請件数を見てみると4週平均で23万人です。

先日のブログでも書きましたが、過去数回のリセッションのデータを見てみると新規失業保険の申請件数が35万人を超えたあたりでリセッションに突入しています。

今は23万人なので、アメリカがリセッションに突入するにはまだ時間がかかると思いますが、どうもリセッションへの道を着々と進んでいる様子は見えてきています。

こうした環境ではやはり米国株よりも米国債のほうがリターンは良いはずなので、私は今から米国債に投資しています。


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