偉大な投資家のアドバイスを聞け、だが信じるな。

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摩訶不思議なアラブのことわざ

アラブのことわざには、パンチが効いた言葉があって面白いです。

“「俺のパンはお前のより大きい」といわれたら「少しくれ」と言えばいい。”
“もしも罪を犯したら、隠せ。”

なんというか、アラブのたくましさを感じます。

中には、「俺の話を聞け、だが信じるな。」という支離滅裂なものもあります。一見すると「何だこれは」と思うような言葉ですが、初めて聞いてから何年もたって、今では何となく意味が分かった気がします。

私の勝手な解釈ですが、「先人のアドバイスは聞いておけ。ただし、どうせ最初はなんでそのアドバイスが重要なのかわからないだろうし、そもそも人の言葉なんて、思考停止して簡単に信じるべきじゃない。色々やって失敗して遠回りした結果、先人のアドバイスが正しかったとわかれば、そのアドバイスの価値がより深く理解できる」と言っているように思います。

はじめは理解できなかった、グレアムの教え

私がアメリカ株をはじめたのは、バフェットの師匠のベンジャミン・グレアムの本「賢明なる投資家」を読んでからでした。

ただ、グレアムの本の中で全くしっくり来なかった教えがありました。それが「投資できるお金を用意したら、株と債権を半分ずつにわけて投資をする」というものです。

もう少しだけこのグレアムの教えを補足すると、「株と債権の両方を持ち、景気が良い時は株を多めに、景気が悪くなったら債権を多めにして資産をコントロールせよ」というものです。

しかし、私はその投資スタイルは採用しませんでした。

同じ時期に読んだジェレミー・シーゲルの「株式投資の未来」という本を見ると、長期的には株と債権のリターンを比べると株のほうが高いので、下手に債権を組み込んでリターンを減らすよりも、株100%で十分じゃないかと思ったのです。

なので、ほんの1,2年前までは株価が大きく下落しても、全く気にせずに毎月給料日に株を買い増しすればいいと考えていました。

年齢とともに、変化し始めた投資スタイル

それから何年も投資を続けて、だいぶ考えが変わりました。今では、2019年のように不況が近づく兆候がある場合には、株を持ちつつも、不況に強い金や安全性の高い債権も組み込むようにしています。

過去記事:景気後退に強い資産、ゴールドを購入しました。

過去記事:YUTA保有銘柄

たぶん、この変化は年をとったからだと思います。

勢いだけで生きていた20代ならまだしも、30代もそこそこになってくると「下落を気にせず、積み立てる投資スタイルは、果たして一生続けられるんだろうか」と考えるようになりました。

まだ私の資産額は大したことはありませんが、それでも毎月積み立てられるわずかな投資資金に比べて、資産額がだいぶ大きくなりました。(積み立てられる資金が少ないことが、そもそもの原因なのですが、)1年間で積み立てる投資資金に相当する金額を、たった3日間の市場の下落で失うこともありました。

市場の下落時に株を買い増して損をカバーする投資スタイルには限界があります。また遠い将来、働かなくなって定期的な株の買い増しができなくなったときには、いずれ不況から資産を守るような投資が必要になります。

遅かれ早かれ、「下落お構いなしのスタイル」から、最低限、市場が景気後退期を警戒している時くらいは「資産を守るスタイル」を習得しないといけないと考え始めました。

グレアムの教えから何年もたって初めて、株と債権の両方を持つ意味が理解できました。人生長い間に何度か訪れる不景気を乗り越えるために、資産を守る投資スタイルを習得する必要があったんだと、気づきました。

アドバイスは聞いておけ、ただし信じるな。

あの頃は、グレアムのアドバイスの内容は理解できていたと思います。鵜呑みにして信じて、実践することもできたとは思います。ただ、アドバイスがなんで重要なのかの価値が分かりませんでした。

長年自分であれこれと手探りで投資をして遠回りをして、ようやくグレアムから教わった防衛的な投資スタイルの価値が、今わかるようになりました。

おそらく、いきなり投資の初期にグレアムから投資スタイルの答えをもらって鵜呑みにした場合よりも、身にしみて分かった気がします。

偉大な投資家のアドバイスは聞いておくものですね。ただし、アラブのことわざによれば、簡単に信じてはいけないようです。


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