最近やたらとアメリカの10年国債利回りが買われています。
そして国債が買われて長期金利が低下するなら、将来得られる利益の価値が増えるはずという考えから、ハイテク株などの成長株が買われています。
私も最近の米国債の買い(と長期金利の低下)はまだしばらく続くだろうと思っていますが、それが落ち着いた後に、長期金利が低下するのか上昇するのかイマイチ予想がつきません。
長期金利の行方がわからないうちは、アメリカのハイテクなどの成長株には手を出さずに、もっとより確かなものに投資をしようと思っています。
今の私にとって、金利よりも読みやすいのは、アメリカの経済成長がゆっくりになることです。景気拡大が緩やかになっても、利益成長に影響が出にくい業界の株の割合を増やしていこうと思っています。
この記事のポイント
- アメリカの10年国債は急速に買われている。買われるほどに国債の利回りが下がって1.3%にまで低下した。
- アメリカの景気がピークをつけたと思われる3月以降に国債買いの流れが起こっており、景気拡大の減速を意識しているようにも見える。
- ただし、今後数年には金利を低く抑えてきた金融緩和が終わることを考えると、長期金利低下は約束された未来ではない気がする。金利低下よりも、景気減速の流れに載るほうが確実性が高そう。
急速に買われる米国債
この数日間ですが、米国債が急に買われているように見えます。例えば、アメリカの10年国債を見てみると大きく買われて価格が上昇し、利回りが急低下しています。
わずかなこの数日の間で、アメリカ経済に何か大きな変化があったようには感じないので、今回の利回り低下は国債の価格が下がることに賭けていた投資家が諦めて買い戻したなど、トレーダー動きを中心に起こったことなのかも知れません。
ただ、この数日だけでなく、3月中旬からずっと米国債が買われていることには、何かしらの意味がある気がしています。
以下の記事でも書きましたが、3月からの米国債が買われている理由については、アメリカの新型コロナウイルスからの景気回復が3月でピークをつけて、今後は景気拡大ペースがますますゆっくりになってしまうので、リスクの小さい投資先を探す投資家が、国債を買い戻しているように見えています。
やはり市場は正しかった。2021年の景気のピークを言い当てた市場
最近あらためて市場の動きというのは、賢いなと感じます。私などは、景気拡大のピークは過ぎ去ってから数ヶ月立たないと、それがピークだったことに気づけないのですが、市場は直ぐに価格に織り込んでいきます。
今後の投資について
国債市場の投資家はどうもアメリカの景気がピークを超えたと見ているようですが、こうした中で、米国株投資家はどのような投資をしたらいいでしょうか。
国債が買われてアメリカの長期金利(米10年国債利回り)が低くなるなら、一般的にはハイテクを中心とした高成長株が有利な展開になるはずです。今後も長期金利が低下すると自信がある投資家は、これに賭けて成長株を買うのも良いと思います。
私もまだしばらく今の長期金利は低下が続くと思っていますが、それが落ち着いた後に、長期金利が上がるか下がるかは全く読めていません。
今後のアメリカの長期金利については、上昇要因も低下要因もどちらも大きなものがあるので、正直予測が難しいです。
長期金利の上昇要因と下落要因
- 長期金利の低下要因:アメリカの景気拡大のピークを超えて、リスク回避のために米国債が買われている。また、2021年3月まで長期金利が急上昇した反動で、低下している。
- 長期金利の上昇要因:今まで長期金利を低く抑えてきたFRBの金融緩和がそろそろ終わりを迎える。
先を見通せている投資家ならともかく、少なくとも私にとっては金利の先行きが見通しにくい状況になっているので、さらなる長期金利低下を見越して成長株に賭けるのではなく、もっと確かなものに投資したいと思っています。
私にとってこれから起こるより確かなことは、アメリカの景気拡大スピードがゆっくりになっていくことだと思っています。
なので、世の中の経済成長が緩やかになっても利益に大きな影響を受けにくい、生活必需品、ヘルスケア業界、公共に関連する株の割合を増やしていくつもりです。
その3つの中では、比較的割安な株が見つかりやすいヘルスケア業界はまだ投資できる対象になると思っています。
今ヘルスケア業界を買うならどの銘柄が良いかをいくつか候補をあげてみる。
なぜヘルスケア業界に注目しているのか、また、具体的にどのような銘柄を購入候補として見ているのかをこの記事で書いていきます。
また、つい先日記事を書いた中国株についても投資のチャンスが広がっていると思います。投資資金のうち、いくらかは中国株の追加投資にも回したいと思いますが、こちらもリスクが高めなのでメインの投資にはしないつもりです。
リスクはあるものの中国企業の株には、割安に見える企業も多く見つかります。
中国企業の株への投資は、中国政府に規制をかけられるという予測が難しいリスクを負っています。そして、売上につながる政府からの規制を投資家が嫌がっていることも影響しているのか、中国株には成長率が高いのに安く見える株が数多く見られます。