コンテンツへスキップ

インフレ予想を強める市場の投資家

  • by
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

先日の記事で、これからのアメリカはインフレが高止まりするリスクも、景気低迷で低インフレに陥るリスクもどちらもあり得るという言い方をしてきました。

>>【詳細記事】新型コロナが米インフレを招いた仕組み

しかし、私よりもずっと賢い投資家で溢れている市場の意見では、どうもインフレが高止まり派が意見を強めているようです。

市場に増え始めたインフレ派の意見を否定するほどの材料が私の中ではないので、今のところ私もどちらかと言われればインフレが高止まりする派に属そうかと思っています。

もう少し具体的にいうと、今投資している銘柄のいくつかが回収できた後には、インフレに強いコモディティ、ゴールド、石油銘柄などへの投資を検討したいと考えています。

この記事のポイント

  • 市場では、高止まりするインフレを警戒している投資家が増えてきている。
  • 米国債(5年もの)の投資家が想定しているインフレ率は、過去15年以上見られなかったほど高値を記録し、利上げ見通しもますます前倒しされている。

インフレ率の予想を上方修正する投資家


この1ヶ月ほどで、投資家の間でインフレ予想の大きな上方修正が見られています。

5年国債の投資家が想定している予想インフレ率(※ブレークイーブン・インフレ率)は、最近はぐんぐんと上昇を続けています。


出典:FRED

上のFREDというサイトでは、2003年以降の5年ものブレークイーブン・インフレ率を見れるのですが、その期間内では今が過去最高値を記録しています。

5年国債ほどではありませんが、より注目度が高い米10年国債の投資家の間でも、インフレ率予想が1ヶ月で上昇を続けています。


出典:FRED

つまり、この1ヶ月ほどで投資家の間では「実はインフレはFRBが言うような一過性ではなく、思ったよりも長続きするのではないか」という意見が強まっているようです。

政策金利の引き上げ予想も前倒しへ


もしも、一部の投資家が言うようにインフレが一過性でないのなら、ちゃんと政策金利を引上げるなどして対処をしなければなりません。

というわけで、投資家の間でインフレ率予想が上昇修正すればするほど、市場の政策金利の引上げ見通しが前倒しされてきました。

以下の図は、いつから政策金利の引上げ(利上げ)が行われるかの市場予想をグラフにしたものですが、1ヶ月前までは「2022年12月からの利上げ予想が過半数超え」の状況だったのに、今では「2022年6月からの利上げ予想が過半数超え」になり、6ヶ月も前倒しされています。

それどころか、以前まで市場の投資家はほとんど検討もしなかった、2022年5月利上げの可能性すら浮上し始めています。

22年5月はテーパリング(債券購入額の縮小)がまだ実施されているはずなので、もしも22年5月に利上げまでしてメインの金融政策を2つも引き締めすることになると、米国株に悪影響が出てしまうかも知れません。

>>【関連記事】米テーパリングは11月開始、利上げは来年6月が有力。

さいごに


市場の動きを見ていると限り、どうも最近の投資家はインフレをかなり警戒しているようです。

ゆっくりと利上げしたがっているFRBに対して、「早く利上げしないと高いインフレが問題になる」と警告を発しているかのようです。

私は最近まで「インフレが高止まりするか、景気低迷で低インフレになるかわからない」という立場を撮ってきましたが、市場の投資家のほうが景気の流れを読む能力がずっと優れていることを知っているので、どちらかと言えば、市場が言うようにインフレが高止まりする可能性のほうが高いのだろうと思うことにしています。

そろそろ、インフレに強い銘柄への投資を検討しても良いのかなと再度考え始めています。

今なら、コモディティ(原油・貴金属・穀物などの商品)か石油株が良いのかも知れません。

一方で、これらの投資は景気低迷時にはそれほど強くない投資先だと思っているので、今後景気拡大がゆっくりになるという予想をするなら、景気低迷にもインフレにも耐えうるゴールドが輝く時期が来るだろうという気もしています。

まだゴールドへの投資すべき時期は来ていないと思っていますが、投資先を探す視野の中にそろそろゴールドを入れても良いかも知れません。


本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。