新型コロナが米インフレを招いた仕組み

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最近では、投資家の間で新型コロナウイルスへの警戒は薄れ、アメリカのインフレを警戒する声が高まっています。

しかし、今回のアメリカのインフレも元をたどると、新型コロナウイルスが原因になっていると私は考えています。

この記事では、アメリカでコロナがインフレを招いた仕組みを書いていきます。

この記事のポイント

  • 新型コロナウイルスの流行が、アメリカのインフレを招いた仕組みを解説。
  • 「世界的なコロナの収束」か「消費の減速」が起これば、米インフレは収まる。
  • しかし、世界的なコロナの収束はまだ見えていない。消費の減速のほうが先に起こりそう。

新型コロナがインフレを招いた仕組み


最近、投資家の間で「新型コロナウイルス」という単語をほとんど効かなくなりました。

2021年7-9月期の決算報告でもパンデミックなどの単語はほとんど聞かれず、どの企業も口を開けば「コスト高」などのインフレを感じさせる単語が並びます。

ただ、私はアメリカでインフレ率が上昇している原因には、新型コロナウイルスがかなり関係していると思っています。

コロナがインフレを招いた仕組み

  • インフレが起こっているもともとの原因は、新型コロナウイルスにある。
  • 2020年からアメリカはコロナの不況で大量の失業者が出て、提供できるモノ・サービスが減った。
  • 一方で、政府は現金を配った結果、消費だけはいち早くコロナ前の水準に回復した。
  • モノ・サービスが限られているのに人々の消費意欲が高まったので、価格があがりインフレになった。

実際に数字を見てみると、よくわかります。

次のグラフは2020年からのアメリカの雇用者数の変化ですが、まだコロナ前に戻ってはいません。


出典:FRED

一方で、政府は2020年から何度か現金を配って、アメリカの人々は手元にお金はあったので、消費はいち早くコロナ前の状態を超えています。


出典:FRED

雇用が伸びずに提供できるモノやサービスに限られているところに、購買力だけが高まったので、アメリカはインフレになったのだろうと思います。

問題の解決には世界レベルのコロナ収束が必要

少しだけ視野を広げると、同じようなことは世界でも起こりました。

たとえば、半導体を作っているベトナムなどの新興国で新型コロナウイルスが流行すると、工場での感染拡大を防止が強化されて生産量が落ちます。

アメリカではパソコンや車や買いたい人がたくさんいるのに原材料不足でモノが足りなくなるので、モノの値段が上がるインフレが起こりました。

部品の供給網が世界に広がっていることまで考えると、インフレ収束のためには(理想的には)世界レベルで新型コロナウイルスが収束するのが良さそうです。

コロナの感染拡大はまだ終わっていない


しかし、問題のコロナ収束の時期は、まだいつになるのかわかっていません。

世界の感染者数を見ると、3ヶ月から4ヶ月に一度のペースで再ブレイクをしているのがわかります。

上図で最新の状況をよく見てみると、新規感染者の数は減っているのですが、このままゼロに向かう勢いはなく、下げ止まっているように見えます。

グラフの形だけ見ていると、これから再び上昇に転じる可能性も高いと思われます。

なので、コロナが収束してモノ・サービスの供給量が増えて、インフレが解消されるというシナリオが実現するまでにはまだ時間がかかると思っています。

インフレを抑えるのは景気の伸びの鈍化か


では、今のアメリカのインフレは長続きするのかというと、そうとも限りません。

あまり良い話ではありませんが、アメリカで消費の伸びが止まれば、インフレ率上昇も緩やかになる可能性があるからです。

私の考えでは、コロナ収束よりも消費の伸びの鈍化のほうがずっと早く起こる気がしています。というよりも、既にそれは起こり始めています。

先日、アトランタ連銀のサイトで公表しているGDPの予測値(GDPNow)がアメリカの景気の急減速を予想しているという記事を書きました。

>>第3四半期の米GDPをわずか+1.3%と予想するアトランタ連銀【GDPNow】

上の記事を書いた時点では、2021年7-9月期のGDP予想値は(前期年率)+1.3%でしたが、現時点では+0.5%まで下がってます。

GDPNowの値は予想値なので、実際にはもう少しGDP成長率が高いこともありますが、前期までの高い成長率は急速に失われている恐れがあります。

インフレへの投資を検討するタイミング


最近は投資家の間でインフレ長期化を心配する声が増えてきましたが、私はインフレ長期化よりも前に予想以上に早く進む景気減速のほうを気にしています。

なので、もちろんインフレも警戒していますが、まだインフレに強い資産への投資は本格化させていません。

真剣にインフレに向けた投資をするのは、景気減速が鮮明になった後に、アメリカ政府が再び景気対策を強めたときで良いと思っています。


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