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マイクロソフト好決算、クラウドの成長率もわずかに加速【21年4-6月期決算】

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マイクロソフトの2021年4-6月期(21年度第4四半期)の決算が発表されたので、この記事で振り返っておきたいと思います。

端的に言うと、良い決算でした。売上も利益も予想を上回り、マイクロソフトのビジネスの鍵をにぎるクラウドコンピュータの売上もわずかながら加速している点が好印象でした。

長期的視点では今のマイクロソフト株は割高ですが、長期保有目的なら十分買える価格だと思います。

この記事のポイント

  • 4-6月期の業績は一株利益も売上も予想を上回って好調だった。
  • 今期もクラウド関連を扱うインテリジェントクラウド部門が業績を牽引した。Azure(クラウド)の売上がわずかでも加速している点は好印象。
  • マイクロソフトの鍵を握るクラウドが好調なので、長期的な投資が検討できる銘柄。現時点ではやや割高で、数年以内に株価の調整があるかも知れないが、10年以上の長期投資目的なら買っても問題なさそう。

好調だった4-6月期


マイクロソフトの4-6月期の業績ですが、とっても良かったです。

毎回のように利益も売上も予想を超える決算を出していますが、今期もちゃんと結果を出しました。

  • 一株利益:2.17ドル(予想1.92ドル)
  • 売上:461.5億ドル(予想442.4億ドル)
近年は毎回のように予想超えの結果を残すマイクロソフト

売上や利益の成長率を見ていても、特に問題はなさそうです。

クラウドなどの成長分野が高収益なのか、売上以上に利益が大きく伸びています。営業利益の前年比+42%は立派です。

単位B:10億 21Q4 前年比
収益 $46.2B +21%
営業利益 $19.1B +42%
一株利益 $2.17 +49%

このブログで決算を見てきたアップルアマゾンでは成長率の鈍化が既に始まって心配だという話をしてきましたが、一方で、マイクロソフトの4-6月期の業績は売上・営業利益ともに成長が加速している点もよかったです。

部門別売上


今期のマイクロソフトの好調の要因を見ていくために、これから売上を部門別に分解していきたいと思います。

マイクロソフトの部門名は、名前から何を販売しているのかがわかりにくいので、以下にまとめておきます。

部門説明

  • プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門:Word・Excel・PowerpointなどのOfficeソフト、CRM(顧客管理)製品のDynamics、LinkedInを提供する部門。主にビジネス向けのソフトを扱う。
  • インテリジェントクラウド部門:クラウドコンピューティングのAzure、Windows Server、SQL Server、GitHubなどのIT基盤製品の提供と、企業向けのコンサルティングサービスを行う部門。
  • モアパーソナルコンピューティング部門:Windows OS、Surface PC、bing検索、Xboxなど大衆向けのソフトや製品を提供する部門。

この3部門のなかで売上規模が一番大きなインテリジェントクラウド部門が、今期も好調だったようです。

インテリジェントクラウド部門だけで売上+30%を達成して、全体を押し上げていました。

単位B:10億 21Q4 構成比 成長率
プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門 $14.7B 32% +25%
インテリジェントクラウド部門 $17.4B 38% +30%
モアパーソナルコンピューティング部門 $14.1B 31% +9%
合計 $46.2B 100% +21%

次のグラフは3つの部門の売上成長率の推移をまとめたものですが、近年は安定してインテリジェントクラウド部門は高い成長率を見せています。

安定して高い成長率を残せているのは、クラウド(Azure)の高い成長率が続いているためです。

数年前に比べると高い成長率は下がりましたが、それでも+50%前後の高い成長率を維持しています。

また、上記のグラフでもわかるように、今期はわずかながら成長率が加速した点は良かったと思います。

さいごに


この記事では、マイクロソフトの2021年4-6月期決算を見ていきました。結果はかなり良かったと思います。

アマゾンやグーグルの決算でも見られたように、2020年のパンデミック以降はクラウドの需要が高まっていて、マイクロソフトもその流れに上手く乗れているようです。

クラウド・コンピューティングを活用する流れは長期的に続くと思われるので、マイクロソフトは長期投資には向いている銘柄だと思います。

一方で、少し気になるのは現時点で既にこの株はやや割高な株価がついていることです。

過去の割高度(予想PER)を比べてみてみると、年々割高になっているのがわかります。

2021年のアメリカは大規模な金融緩和に支えられて割高になっているのですが、今後は規模が縮小していくことを考えると、数年以内に株価が下がる調整を迎えるかも知れません。

さきほど、マイクロソフトは長期投資できる銘柄だと言いましたが、下落するたびに買い増しをするスタンスでも良いと思います。


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