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AIの恩恵が見られなかったマイクロソフトとアルファベットの決算

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7月25日は注目の決算発表があったので、触れておきたいと思います。

ここで眺めるのはGoogleの親会社アルファベットの他、マイクロソフトです。

実はどちらも4-6月期の業績はアナリストの予想を超える内容でした。しかし、個人的にはどこにAIの追い風があったのかが分からないほど、AIが業績に与えた影響はかすかなものだったと思います。

エヌビディアの業績が2-4月期で既に強い回復していることを見ても、AI旋風は確かに存在はします。しかし、アルファベットとマイクロソフトの業績には風が吹いていないという事実を、株主たちはいつか直視しなければならなくなると思います。

私はこの2社は嫌いではありませんが、今は買いではないと思います。

この記事のポイント

  • マイクロソフトは4-6月期の業績は予想を上回ったが、7-9月期の業績見通しが振るわなかったことで株価が下がった。
  • グーグルの親会社は4-6月期の業績が予想を上回ったが、業績見通しを発表した同業者のスナップを見ていると広告業界の先行きはそれほど明るくない。
  • どちらも業績にAIの追い風を感じない。クラウドの売上成長率は前期とほぼ変わらず、株主の期待だけが大きい。

マイクロソフト

マイクロソフトの4-6月業績は一株利益も売上も予想を超えました。

  • 一株利益:$2.69($2.55)
  • 売上:$56.19B($55.47B)

人件費の削減や、研究開発費を抑えることで営業利益は前年比+18%と大きく伸びたことは良い点です。

しかし、売上は前年比+8%で、引き続き10%を下回っているところを見ると、まだマイクロソフトは低迷が続いているのだなと感じます。

前年比+8%では物足りないと感じているのは、私だけではないようです。

株主は次の7-9月期では売上成長率がさらに回復することを期待していましたが、マイクロソフトは決算発表で7-9月期も売上が+8%前後にとどまるというデータを示したことで株が売られました。

7-9月期マイクロソフトの売上見通しは$53.8B〜$54.8Bで、これはだいたい前年比+8%前後になることを意味します。

  • 7-9月期売上見通し:$53.8B〜$54.8B(予想$54.9B)

この見通しが示された直後に株価は下がっています。

アルファベット

アルファベットも4-6月期は売上も一株利益もどちらも予想を上回る良い内容でした。

  • 一株利益:$1.44($1.34)
  • 売上:$74.6B($72.82B)

過去数四半期から比べても、成長率が回復している様子が見られます。

近年投資家から注目を集めているYouTube広告やGoogleクラウドも予想を上回っていて、悪くなかったです。

  • YouTube広告: $7.67B(予想$7.43B)、前年比+4%
  • Googleクラウド:$8.03B(予想$7.87B)、前年比+28%

広告業界の見通しに不安材料

アルファベットの決算では業績見通しの発表がないので、マイクロソフトのように業績見通しによって売られるということがありませんでした。

結果的に悪いニュースがなかったアルファベットは決算発表後に株価を上げています。

しかし、用心深い投資家なら、同じ広告業界のスナップが7-9月期の業績見通しでアナリスト予想を下回ったことは気になったところだと思います。

>>米スナップ、第3四半期見通しが市場予想下回る 株価一時17%安(ロイター)

スナップの業績見通しの不調が1社固有のものなのか、それとも業界共通のものなのかは精査が必要ですが、少し不安の残る決算日となりました。

まとめ

長くなったので、マイクロソフトとアルファベットの決算を要点を振り返りたいと思います。

どちらも4-6月期の業績は良かったと思います。アナリスト予想を超えた上に、成長率の回復が続いていることが確認できています。(2022年はドル高に苦しみましたが、その影響が緩和されたことも地味に聞いていると思われます)

一方で、7-9月期に業績見通しについては不安を残す形になりました。マイクロソフトは予想を下回る業績見通しを発表して株価を大きく下げました。また、アルファベットは業績見通しの数字こそ公表していませんが、同じ広告業界のスナップは業績見通しが予想に届いていなく株価は急落しています。

AIの恩恵はどこに行ったか

最後にAIについてコメントをしたいと思います。

2023年はAIブームを背景に、大手テクノロジー企業が米国株全体を引き上げましたが、マイクロソフトとアルファベットの2社に関しては投資家の期待先行で株価が上がっていたように見えます。

私の見る目がないのかもしれませんが、これら2社の業績のどこにAIの恩恵を受けているのかわかりませんでした。

一般的に言われているのは、企業のAI熱が高まればプラットフォームとしてのAzureやGoogleクラウドの収益が上がるという説ですが、売上成長が加速した印象はありません。

以下のグラフはマイクロソフトのAzureの売上成長率の推移ですが、成長率が加速している様子は特に見られません。Googleクラウドは成長率は前期に比べて上がってますが、微増です。

もっと規模の小さい話なら、ChatGPTやbingが検索を変えるという話もありますが、マイクロソフトの検索・ニュースによる広告収入の売上成長率は前期から鈍化しています。

というわけで、マイクロソフトやアルファベットは今回のAIブームは(少なくとも今はまだ)業績につなげられていないようです。

冒頭でも話しましたが、エヌビディアなどの決算を見るとAIブームはたしかに存在しますが、このブームの間に株価を上げた企業の中にはマイクロソフトやアルファベットのようにAIの恩恵を受けていないものも存在するようです。

投資家が今回のAIブームを期待をしすぎている側面もあるのではないかと私は疑っており、そうした期待が薄れる頃にはそれらの企業の株価は下がるだろうとも思います。


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