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S&P500、2022年の年初来安値を更新

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先週に続き、米国株は不調がまだ続いているようです。

S&P500は終値で6月につけた2022年の最安値を更新しました。

この記事のポイント

  • 9月26日も米国株は不調が続き、6月につけた2022年の最安値を更新した。
  • 米国株が安くなっている原因は金融引締めによるもの。国債が急速に売られて、株価にも影響が出ている。
  • 先週まで今の株価下落は間もなく止まると予想していた。今も予想は変わらないが、根拠としていた1つは既になくなった。

年初来安値を更新したS&P500


S&P500は終値で6月につけた2022年の最安値を更新しました。

このブログでは3週間ほど前から6月は「S&P500の底値にならない」「まだ安値は更新する」と言ってきましたが、ちゃんとその通りになりました。

>>米国株が今年の安値を更新しそうな理由(22年9月7日)

S&P500の安値更新の予想があたった根拠

この予想を立てたときに参考にしていたのは、アメリカの10年国債の実質利回り(長期実質金利)の動きです。

長期実質金利は、最近の金融引締めの影響で右肩上がりに上昇していました。

2022年の安値をつけていた6月時点よりも現時点のほうがずっと長期実質金利が高いです。

この金利が高ければ高いほど株価には下落圧力がかかるので(実質金利が高いほどPERが下がって株価が下がるので)、S&P500は6月につけた株価を下回っても全く不思議ではないと考えていました。

株価の下落はいつまでか


問題はこの下落がどこまで続くのかです。

2023年にかけては、S&P500は今よりも35%ほど低い値(2450ポイント)にまで落ちる可能性もあると思っています。(数字の根拠はこちらの記事参照)

一方で、短期的には6月から8月のような株価の反発が見られてもおかしくないというのが、昨日までの私の見方でした。

>>米国株の下落が一時的に収まるかもしれない兆候(22年9月24日)

しかし、昨日の債券市場の動きを見て、短期的な反発が近々始まる予想はやや揺らいでいます。反発はするかもしれませんが、長続きしないかもしれません。

今の米国債市場は私が思っていた以上に売られていて、長期実質金利はさらに上昇する恐れが出てきているからです。

はじめて10年実質金利が30年実質金利を上回った


私は、まもなく米国株が一時的に下げ止まると考えていたのは、株を下落させていた10年国債の実質利回り(長期実質金利)の上昇がそろそろ止まると思っていたからです。

下の図のように、2010年までデータをさかのぼっても、10年国債の実質金利は30年国債の実質金利を一度も上回ったことはありませんでした。

なので、そろそろ10年国債の実質金利は30年実質金利の壁に跳ね返されて、一時的に上昇が止まると思っていたのです。

しかし、昨日9月26日には、初めてこの逆転現象が起こりました。

こうなってしまうと、ひょっとするとまだスルスルと10年国債の実質金利が上を目指す展開もあるかもしれません。

企業業績や金利などの株の価値とは関係なく、株価の値動きだけ(テクニカル分析だけ)を見た場合にはたしかに既にS&P500は下がりすぎになっているので、そろそろS&P500の株価が下げまる予想は変えていません。

しかし、長期実質金利が上がってしまうなら、6月から8月まで見られたような株価の反発よりもかなり弱いものになるかもしれないと思いはじめています。


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