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一見低調だった9月のアメリカ雇用統計の見方

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9月のアメリカの雇用統計の発表があったので、この記事で振り返っていきます。

結果は予想以上に雇用の増加は伸び悩んでいたので、そんなに景気が良くないのかと一瞬ドキッとした投資家もいたと思います。

ただ、その後の投資家の反応を見ているかぎり、既定路線と考えられている11月からのテーパリング(FRBの景気対策で毎月買っている債権の規模を減らす動き)の予定を先延ばしするほど悪い雇用統計ではなかったようです。

むしろ、失業率の低下や高い賃金上昇から景気の過熱を心配したのか、「来年2022年の政策金利の引上げ予想は前倒したほうが良いかも」と考えた投資家も一定数いたようです。

この記事のポイント

  • 9月のアメリカの雇用者の伸びは予想を大きく下回った。また、賃金は数ヶ月大きな伸びが続いていて、インフレが長期化する心配もある。
  • 予想を下回った雇用統計の後でも、市場は2022年9月の利上げ開始の予想を変えていない。しかし、22年7月に前倒される可能性も考え始めている。
  • 今回の雇用統計は、一見すると雇用が伸びずに景気悪化に目が行きがちだった。しかし、市場は失業率の低下や賃金上昇で利上げが前倒されることも考えたように見える。

再び雇用の伸びが予想を大きく下回る


9月のアメリカの雇用ですが、雇用者の伸びは予想を大きく下回ってしまいました。

事前の予想では9月は雇用者が50万人ほどを増える予想だったのですが、実際には20万人弱しか増えていませんでした。

  • 雇用者(非農業部門):+19.4万人(予想+50万人)
  • 失業率:4.8%(予想5.1%)
  • 平均時給:前月比+0.6%(予想+0.4%)

ただし、くわしい内訳をちらっと見てみると、今月の雇用者数の低調ぶりには政府関連の雇用が減少していたことが響いているようにも見えました。

なので、民間の景気は数字ほど悲観しなくても良いかも知れません。

また、失業率が4.8%まで低下しているので、アメリカの景気は悪いわけではなさそうです。

賃金上昇は続く

個人的に一番気になったのは、平均時給の前年比+0.6%の伸びです。

年率にすると+7.7%のペースでとても大きな上昇をしているので、持続的なインフレへの注意を払ったほうが良いかもしれないと思っています。

この数ヶ月の動きを振り返ると、今年2021年の4月から既に半年近くも高い賃金上昇が続いています。


出典:FRED

今後FRBに賃金上昇によるインフレが進んでいることが問題視されてしまうと、政策金利の引上げが前倒しされて株価に悪影響が出るので、少し心配しています。

市場の投資家の見方


今回の雇用統計の結果は雇用の伸びだけ見ると、あまり良くありませんでした。

しかし、金融緩和の縮小を先延ばしにしなければならないほどの悪い内容ではなかったようです。

政策金利の引上げ時期の市場予想は雇用統計の前後で変わらず、22年9月に1回目の引上げがあると見ているようです。


データ出典:CME

そして市場の利上げ予想(上のグラフ)の数字を見てみると、市場の投資家による22年7月の利上げが確率が上がっていて、雇用統計後に22年7月利上げの可能性を考え始めた投資家もいるようです。

つまり、市場の投資家は「雇用統計の結果が悪かったから、テーパリングや政策金利は先延ばしされるだろう」ではなく、むしろ「失業率の低下と賃金上昇が進んでいるので、政策金利は前倒しされるかも知れない」と考えている人もある程度いたようです。

さいごに


この記事では、9月のアメリカの雇用統計を見ていきました。

一見すると雇用の伸びが予想よりも大幅に悪かったので、「アメリカの景気が悪いのか」「テーパリングや政策金利の引上げは先延ばしされて、株に追い風が吹くか」と考えそうな結果でした。

しかし、よく見ていると失業率は低下して賃金上昇も大きかったので、政策金利は前倒しどころか「景気の過熱を防ぐために、前倒ししたほうが良いのでは」と考えた投資家もかなりいたようです。

今のところ2022年9月がアメリカの利上げ時期として予想されていますが、7月の利上げ予想も高まっているので、今後どこかで市場の利上げ予想が7月に前倒される可能性すら出てきています。

とりあえず現段階でテーパリングは恐らく11月開始、利上げは来年2022年9月(もしくは22年7月)開始だと思っています。

今のように利上げ予想が前倒されるような時期では、一時的に株が売られることが多いので下がっても我慢が必要だと思いますが、以下の記事に書いたように一時的な下落を乗り越えてまだ株はしばらく上がると思っているので、気長にじっくりと取り組んでいきたいと思います。

>>まだしばらく投資先は株で良いと思っています。


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