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再び大きく動いている政策金利予想と実質金利

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最近にますます大きく変化しているものがあるので触れていきたいと思います。

1つ目は市場の投資家が予想する政策金利がまた一段と引き上がっていること、もう一つはアメリカの長期実質金利が上昇していることです。

どちらも株価には悪い影響があるものです。

そして、明日に控えているFOMC(アメリカの金融政策を決める会議)でどちらも変化するかもしれないものなので、メモ代わりに今の数字をここに記録しておこうと思います。

この記事のポイント

  • 9月のFOMCを前に政策金利予想が一段と強まっている。市場は2023年3月に政策金利が4.50-4.75%まで上がると予想。
  • 長期実質金利は8月から急速に上昇を続けて、株に下落圧力をかけている。実質金利を見ると、6月につけた米国株の安値を下回ってもおかしくない状況。

強まる政策金利予想


今週は9月21日のFOMCに注目が集まっています。そして、その重要な会議の前に、市場の投資家たちの政策金利予想は一段と強まっているようです。

この記事を書いている9月20日時点の政策金利予想は以下のようになっています。

上の図を見ると政策金利は現時点の2.25%-2.50%からまだまだ上がるようで、9月と11月に0.75%の大幅な利上げをして、最終的に2023年3月には4.50%-4.75%に達すると市場の投資家は見ているようです。

つい1週間前まで政策金利のピークは4.0%-4.25%でしたが、わずかな期間で予想が0.5%も上がってしまったようです。

長期実質金利は上昇中


政策金利予想の他に大きな変化を見せているのは、長期の実質金利(10年米国債の実質利回り)です。

この実質金利が上がってしまうと株価を押し下げる効果があります。

上のグラフは米国株S&P500と実質長期金利の関係を示したものですが、2つの動きはとてもよく似ています。

このグラフで白い線が下に行くほど実質金利が上がるように作っているのですが、白い線が下がれば(実質金利が上がれば)青いS&P500の株価も下がっている傾向が見られます。

そして、気になるのは8月から白い線が急降下(実質金利が急上昇)していることです。この勢いはこの記事を書いている最新のデータでもとどまらず上昇を続けています。

米国株が安値をつけた6月中旬よりも、今の実質金利は大幅に上回っているので米国株は6月の安値を超えて下落する恐れがあることは、このブログでも何度か書いていきました。

>>米国株が今年の安値を更新しそうな理由(22年9月7日記事)

最近はますます実質金利が上昇して、株安の恐れが高まっているように見えます。

さいごに

この記事では最近短い期間で急な上昇を続けている「政策金利予想」と「長期実質金利」の2つを取り上げました。

明日のFOMCが終わって出てくる情報によっては、この2つの金利は良い方向にも悪い方向にも大きく動く可能性があるので、FOMC前後でどんな動きをするのか見ておきたいと思います。


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