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今投資家から最も人気のない米国債の購入タイミングを検討する。

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投資家はまだ買う対象として注目されていないもので、今後伸びる投資先を探しています。

そしてまだ購入対象として注目されていない投資先というのは、かなり多くの場合は「今まさに急落しているもの」です。

今、価格が下げ続けて最弱だと私が思っている投資先は、米国債です。

米国債はまだまだ下落するはずなので2021年3月現在から買ってしまうとすぐに損を抱えることになると思いますが、ほとんどの人が投資しようと思っていない段階から投資のチャンスを探して、「どのような状況になったら米国債に投資するか」を考えておきたいと思います。

この記事のポイント

  • 人気が過熱している投資先よりも、今一番売られてて人気がない投資先を見る必要がある。
  • 2021年3月時点で、投資家からもっとも人気が無い投資先は米国債。米国債の売りはまだ始まったばかりだが、いつが安く買えるタイミングがあるかを検討することは重要。
  • 短期・中期的な投資なら、アメリカで一時的な景気がピークをつける2021年夏にも投資できるタイミングが来るかも知れない。長期目線なら、高いインフレが起こった場合にインフレを抑えるためにFRBが政策金利を大きく引き上げた後が投資のタイミング。

常に弱気相場を探す

「株価が上がっていて調子が良いから」という理由で投資する銘柄を選ぶ人が最近は多いように感じます。

何を考えて投資するかは人それぞれですが、私の場合は市場が良いときも悪い時も投資で安定してリターンを出したいので、他の人と同じように動くことは避けています。

他の人が浮かれているときに慎重になり、他の人が慎重になったり見向きもしていないときに買いに行くようにしています。

投資家のジム・ロジャーズ氏も、次のように言っています。

多くの投資家が考えないことは何だろうか。投資家としての私は、いつも、「どこが弱気相場か」を探している。

ほとんどの投資家は強気相場を探し、弱気相場は気にもかけない。

人々が過熱気味のマーケットに夢中になって、他にも素晴らしい投資先があることなど忘れ去っているとき、私はそこに割安なものを探す。

ジム・ロジャーズ「娘に贈る12の言葉」

2021年3月時点で、最も人気がない投資先は米国債

ジム・ロジャーズ氏の言うように「どこの投資先がいま一番売られているか」と探してみると、私が真っ先に思いつくのは米国債です。

「米長期金利が上昇している」というニュースを耳にすることが最近は多くなったと思いますが、『長期金利が上昇している』ということは『アメリカの国債が売られている』ということを意味します。

関連ニュース:
>>1981年に始まった米国債の強気相場が終了-ピークから20%余り下げる(ブルームバーグ)

このブログでは何度も触れているように、このアメリカの長期国債の価格の下落(=長期金利の上昇)はまだまだ続くと思うので、2021年3月の時点で国債を買うとすぐに損をする恐れはあります。

しかし、これだけ誰もが「売り」だと敬遠している投資先も珍しいです。

なので、一体何が起こったら「買い」に転じても良いのかは、考える価値がある気がしています。

米国債への投資のタイミング

まだ確度がかなり低い私の考えなのですが、国債を買っても良いタイミングは「1-2年の短中期的な視点」と「5-10年の中長期的な視点」で分かれます。

短中期的な視点

1つ目の米国債への投資タイミングの候補は、アメリカで2021年から始まる経済の本格回復の勢いがピークをつけた時です。

アメリカは2021年こそコロナのダメージから回復して、37年ぶりのGDP成長率を記録するような好景気が予想されています。

そして米中央銀行FRBやOECDなどの経済専門家の見方ではこの景気は一時的で、その後の景気拡大のペースはコロナ前のような緩やかなものになると見られています。

中央銀行FRBの予想では、2021年のアメリカの好景気は一時的

米国債は景気の減速する時や悪化するような時に価格上昇が見込める資産なので、2021年の好景気がピークをつける時に米国債は底をつけて価格が上昇(金利は下落)に転じる可能性があります。

また、バイデン大統領は国民へのワクチン接種を積極的に進めて、7月4日の独立記念日までにウイルスとの戦いへの勝利宣言をしたいと考えているようなので、国債が底値をつけるなら7月の前後1-2ヶ月の可能性もあります

>>バイデン米大統領、7月4日までに「ウイルスからの独立を」 ワクチン接種も加速へ(BBC)

ただし、この投資はとても大きなリスクを伴うと思います。

2020年後半から2021年3月現在まで続いている米国債の下落が7月前後で一旦終わるような一時的なものではなく、次の10-20年も続く大きなトレンドの始まりに過ぎない場合には、7月前後で米国債を買っても長い時間を待たずに大きな損を抱えることもあります。

米国債が底値をつけたと思って買ったとしても、思惑が外れたならすぐ国債を売って撤退しないと大きな損を出しかねません。

中長期的な視点


中長期的には、もしもアメリカが5%を上回るような高いインフレになって、中央銀行FRBが本気でインフレを抑える構えを見せた時に、米国債を買うタイミングが訪れると思います。

1970年代後半からアメリカは10%を超えるインフレに苦しみましたが、この時FRBは政策金利も10%以上に引き上げてインフレを撃退しました。

政策金利は1981年1月には19.1%に引き上げられた結果、インフレ率は下落に転じましたが、そのあと数年間の米国債のリターンは米国株を大きく上回りました。

インフレを撃退した1981年から数年間、米国債は株を上回った

この再現を狙って、長期的に国債への投資を待ち構えるのもアリだと思います。

その場合、「2021年の景気拡大で株が上昇する時期」「インフレが続いて、貴金属・コモディティが有利な時期」の後に、ようやく「インフレ撃退後に国債が急上昇する時期」が来ることになるので、だいぶ息の長い投資プランになります。

この中長期的な米国債を買うタイミングでの問題点は「そもそも5%を超えるような高いインフレ率になる展開が訪れないかも知れないこと」と「高いインフレ率になるにしても、長い時間がかかるかも知れない」という2点です。

2021年は米国債が売られていますが、どう活かせば安くなった米国債を使って投資ができるかは、再度考えていこうと思います。


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