2019年の世界各国の金融緩和に効果はあるのか。気になる日銀との類似点。

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中央銀行の金融政策の効果は薄れていないか

前回の記事では、トランプ大統領がFRBに大幅な利下げの実施をせまったツイートを紹介しました。

欲望のレベルをあげるトランプ大統領「小幅な利下げは十分でない」

トランプ大統領も、市場もFRBの金利引下げに大きな期待を寄せていますが、少し気がかりな点もあります。2019年は世界中の国の中央銀行が利下げなどの緩和策に動いていますが(以下参照)、2019年以降に実施する利下げと緩和策は以前ほど効力を発揮しないのではないかという懸念です。

2019年7月29日時点の世界各国の中央銀行の動き:

※2019年最新の世界の中央銀行の利下げ動向はこちらを御覧ください:
[2019年版] 世界的の中央銀行の利下げ動向まとめ

  • インド:2019年6月3回連続の引き下げを実施し、政策金利は9年ぶりの低水準。しかし、依然として目標の4%インフレ率を下回る。
  • オーストラリア:2008年危機以来の低成長で、6月に3年ぶりの金利引き下げを実施。中央銀行ののロウ総裁は7月25日、低金利が長期間続く可能性を示唆(ロイター)
  • 韓国:2019年第1四半期(米中貿易戦争加熱前)で前期比GDPマイナス成長。2019年7月に3年ぶりの利下げ実施。
  • 欧州:7月の中央銀行で次回以降の会合で、金融緩和策の検討を示唆。早ければ9月にも金融緩和。
  • 米国:市場は7月末に2008年以来の0.25%の利下げを実施
  • 日本:物価の勢いを失えば、追加緩和をすると黒田総裁が発言(ロイター

緩和余地が大きかった2007年時のアメリカ中央銀行FRB

確かに2007年からはじまった世界的な金融危機では、アメリカFRBやその他先進国の中央銀行が金利をゼロかマイナスまで引下げ、さらには中央銀行は大量に債券を購入する量的緩和策も実施して、景気回復の効果を発揮しました。

しかし、2007年の利下げ前のアメリカの状況を振り返ると、5%を超える政策金利だったり、中央銀行の債券保有額も今よりずっと少ない状態でした。つまり、当時は緩和の余地が非常に大きかったので、金融政策の効果が大きかった可能性があります。

2007年時に既に緩和余地が小さかった日銀は低インフレから脱却できず

逆に、金融緩和の余地が小さい状態で2007年を迎えてしまい、緩和策を実行するも、今もなお景気回復を実現していない国があります。日本です。

2007年を迎えた時の日本は、既にゼロ金利は1999年から、量的緩和も2001年から既に実施していました。2013年に黒田総裁が就任して以降は、世界的に見ても大規模な緩和政策を実施しましたが、デフレや低インフレの脱却にまでは至っていません。

2007年時の日銀に最も近いのはヨーロッパECB

2019年の現時点のアメリカ政策金利は2.25-2.50%で歴史的に見たら低い水準です。そして前回の世界的金融危機を乗り切るために量的緩和で購入した債券は中央銀行の資産としてまだ大量に眠ってて、2007年の日本との類似点がやや見られます。

しかし、アメリカ以上に2007年の日本似ているのはEUです。前回の量的緩和後の資産は全くを減らすことなく、次の緩和が始まろうとしており、なおかつ政策金利は0%です。

アメリカもそうですが、EUもまた緩和策の効果が期待ほど見込めない状況になる恐れがあります。

レイ・ダリオも緩和策の効果が薄れると発言

世界最大の投資ファンドのトップのレイ・ダリオもLinkedInへの記事の投稿で、今後は緩和策の効果が薄れると考えを明かしています。

参考記事:レイ・ダリオ、株で儲かる相場の終わりと金への投資が有望な理由。

私は、上の記事で紹介したレイ・ダリオの考えほど、これから世の中に大きな変化が起こることを予想しているわけではありませんが、緩和策の効果は落ちていくと考えている点は同じです。