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5%超えの政策金利にアメリカが耐えている理由

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この2年間くらいずっと疑問だったことがあります。

どうしてアメリカは5%超えの政策金利に耐えられたのでしょうか。

考えられる原因は2つあります。その2つのどちらもそろそろ効力を失う時期に来ているので、2024年はアメリカ経済がどの程度持ちこたえられるのかをかなり注視して見てみたいと思います。

この記事のポイント

  • アメリカが5%超えの政策金利でも、まだ経済が壊れてないことに驚いている。
  • 2023年まで経済が耐えられている理由で考えられることは2つ。(1)まだ利上げの悪影響が出てないこと、(2)高インフレだから耐えられたということ。
  • 上記2つのどちらが正しかったとしても、2024年には変化が出てきそうな気配がある。

かつての見通しでは2024年末のFFレートは2%だった

2023年12月現在のアメリカの政策金利は5.25%〜5.50%です。

今でこそ投資家はこの5%超えの金利の数字を見慣れてしまいましたが、ほんの数年前のゼロ%だった時期には考えられなかった数字です。

次のグラフは2年前の2021年の12月時点の、金融政策を決めているFRBのメンバーが示した政策金利見通しです。

>>【過去記事】FOMC、利上げは早くても2022年3月開始で年3回の見通し

上の図を見ると、金融政策を決めるFRBでも2024年には2%程度の政策金利で済むものだろうと思っていたことがわかります。

2年前の当時は、私を含めいくつかの世界的に著名な投資家たちも2%まで政策金利を引き上げたらアメリカ経済は不況におちいると言っていました。

そして、その不況は2023年には訪れるだろうと思っていたのですが、その予想はどうも外れたみたいです。

5%超えの政策金利にアメリカが耐えている理由

結果的に2%への利上げどころか、現時点で5%超えまで政策金利が引き上げられたわけですが、なぜアメリカ経済は不況におちいっていないのでしょうか。

これがこの1年間ずっと疑問でした。

原因として考えられるいくつかのものはこちらです。

  • (1)政策金利の悪影響はまだ企業に及んでいないため
  • (2)高インフレだから高金利にも耐えられた(インフレを差し引いた実質金利はそこまで高くなかった。)

まだ利上げの悪影響が出ていない場合

まず、1つ目に(1)そもそも政策金利の引き上げの悪影響がまだ米国企業に及んでいないというのが考えられます。

通常、政策金利が引き上げられても企業の利益が多く下がるまでに2年弱のタイムラグがあります。(下の記事参照)

>>【過去記事】アメリカ利上げの悪影響はまだ企業利益に及んでいない

政策金利を引き上げても、企業は利上げ前の低い利回りで運転資金をしっかりと確保している場合が多いので、借り換え時期が来るまではなんとかなるものです。

その上、企業が耐えて雇用も安定してるなら消費者のお財布も寒くならないので、(住宅や車などのローンを使うものでなければ)利上げしても直ぐに消費が落ち込むわけではありません。

今回であれば企業は利上げ前のゼロ金利時代にちゃんと資金を確保し、消費者はコロナ前の給付金でしっかりと消費余力を蓄えた状態で利上げが行われたので、なかなか利上げの悪影響が出てこないとしても不思議ではありません。

しかし、一旦利上げの悪影響が出始めてしまうと、経済はやはり大きく低迷するリスクを抱えていることになります。

2024年のどこかで利上げの悪影響が表面化するか、引き続き注視して見る必要がありそうです。

高いインフレで高金利に耐えていた場合

政策金利が5%超えでも、まだアメリカが景気後退になっていない理由としてもう一つ考えられるのが、高いインフレです。

政策金利が5%になったとしてもインフレを差し引いた実質金利で考えるとあまり金利が高くなかったから、景気後退にならずに耐えられたというのがこの考えです。

ただし、もしもこれが原因ならそろそろ風向きが変わってきているような気もします。下の図でも分かるようにインフレ率は既に下がってきているからです。

インフレ率が下がっているのに、政策金利が5%の状態を続けていたら、しだいにアメリカ経済は利上げの悪影響を強く受けるようになってしまいます。

そうならならないように、市場は2024年5月頃には利下げが必要だと言っているのかもしれません。この場合、インフレは急なペースで鈍化しているので、利下げもそこそこ速いペースになると予想されます。

ここまで5%超えの利上げでもアメリカが不況を免れていきた理由を2つ考えてきましたが、どちらが正しくても2024年には変化が訪れそうな気配がしています。


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