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さえない米国株、増えていく不穏な兆候。

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昨晩の米国株は終盤は持ち直したものの、最高値からマイナス20%超えを記録するなど一時的に株価が下落する場面も見られました。

2022年1月にまだ株価がここまで崩れていないときに、「まだ景気後退前の大きな下落に入ったわけではない」「20%超えの下落はないと思う」と私は言っていたのですが、残念ながら現実は厳しいものになってしまいました。

>>2022年1月が今景気サイクルの株価のピークではないと思う理由(2022年1月23日記事)

当時、私が20%超えの下落はないと考えた根拠となる数字は下落する米国株の後を追うように悪化して、今ではいくつもの警戒サインを送っているようなので、ここではその様子を見ていきます。

この記事のポイント

  • アメリカでは景気減速や景気悪化の前兆が見られ始めている。
  • 最近ではジャンク債が大きく売られるなど、景気悪化を懸念した動きが市場で見られる。
  • FBRが今の金融引き締めの政策を続けている限りは、米国株に弱気で良さそう。

今では、1月時点の私の予想(2022年1月が米国株のピークではないという予想)は間違っていたと思っています。

これから一時的な株価回復がもしも起こったとしても、FRBが金融引き締めを続けている限りは米国株はまだ下落をすると思って警戒しています。

増える不穏なサイン


1月時点で私は、次の4つの理由からまだ米国株はピークをつけていないはずと言ってきました。

  • (1)景気後退のサインは出ていない。
  • (2)景気に敏感な社債市場の投資家はまだほとんど景気の悪化を織り込んでいない。
  • (3)長期国債に比べれば、まだ米国株はそこまで割高ではない。
  • (4)1度も利上げをせずに株価がピークを迎えることは考えづらい。

たしかに1月の時点では、上記の4つはちゃんと成立していました。しかし、たった数ヶ月でこの状況はかなり悪化しています。

特に上記の(1)(2)は完全に暗転しました。

景気後退のサインは既に点灯を終えました。景気後退の前にはほぼかならず発生する逆イールド現象は4月上旬にみられています。

>>アメリカで不況の前兆「逆イールド」が発生(4月3日記事)

そして、5月になると企業や消費者の景気アンケートの結果で「景気悪化」を示すサインがいくつか見られ始めました。

>>アメリカ消費者の景況感、すでに景気後退時のような低さが続く(5月14日記事)

>>アメリカ製造業、スタグフレーションの気配がちらつく(5月17日記事)

こうした景気が悪化しているサインが出ても、過去のアメリカではかなりの長い間景気後退にならずに持ち堪えることもあるのですが、今回も耐えられるかはわかりません。割とあっさりと2022年内に景気後退に陥る可能性もある気がしています。

大きく売られはじめているジャンク債

また、5月になってからジャンク債は警戒が必要なレベルで売られ始めています。

次のグラフはジャンク債(格付けの低い会社の債権)の利回りと米国債の利回りの差をグラフにしたものです。このグラフは、景気が悪くなると投資家が考えるほどにジャンク債が国債よりも大きく売られてグラフが上昇し、景気悪化の訪れを知らせてくれるのですが、既にかなり高いところまで上昇が始まっています。


出典:FRED

既に株価急落で利上げを断念した2018年末に近いところまで、ジャンク債は国債に対して売られているようです。

この状況が続けば市場に混乱を招くので、まだ米国株の下落は激しさを増す恐れがあると思っています。

さいごに


今まで「FRBが一度も利上げをしないで、株価がピークをつけて下落を始めたことはない」というデータは確かにあったのですが、それは今回で打ち破られるかも知れません。

今回のFRBの利上げは大きく遅れてしまった結果、本来なら利上げを止めることを検討するような景気の弱いタイミングで、逆に金融引き締めを本格化させているのかも知れません。

これが本当なら、株価にとっては最悪な展開です。

なので米国株はFRBが金融引き締めを止めるまでは、株が一時的に上昇しても弱気で良いと思います。


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